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2016年12月04日22:10

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「氷の轍」 桜木紫乃著

どろどろした大人の恋愛ものが多い小説家の最新作。
今回はちょっと意外なヒロインにびっくり。主人公大門真由は女性刑事。で、冒頭から死体が発見される。
そして殺人事件捜査でコンビを組むのは、父親くらいの年齢のベテラン警部補。

どういう展開になるのか、とりあえず推理或いは犯罪小説なのかな?と読み進めると、私の
慣れ親しんだ情景描写に、すっかり取り込まれ、どんどんページをめくってしまうことになった。
何しろ、最初の舞台は

釧路

今回はJRの駅から、ちょっと旅行者目線で追う描写もあり、和商市場という
観光客受けのする感じの海産物市場が重要な舞台となっていて、
なんとなく二時間ドラマを意識しているのかと思ったら、
本当にドラマ化された(柴咲コウが主演)。

殺された80歳の老人は、生涯独身の一人暮らししていた元タクシー運転手で、読書家。
つつましく暮らしていたのに、その部屋にあった高価な古本北原白秋の詩集から、
刑事コンビは八戸まで渡ることになる。

すると、被害者と関わりのあった、釧路在住の人物の、お涙頂戴の過去が明らかになってきて・・・
と、やっぱり推理小説じゃなかった、桜木ワールド突入という展開に落ち着く。

それでも、途中登場の人物たちに思いを巡らせながら、一体だれが何の目的で殺したかと
推理を楽しめないこともなかったし、私は面白かった。
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