「シンゴジラ」 庵野秀明監督

子供の頃から怪獣映画が好きで、息子が生まれたおかげで、連れて見に行ったりもしてきた。

今回はスケールが大きく、新聞の評も良かったから、
最大スクリーンで上映されている間に、とシネコンに行った。

いきなり東京湾に怪しい巨大生物の出現。
もう、ゴジラか？と観ていると、何だか変な感じ。
その対応をするのが、長谷川博己演ずる若手の政治家なのだが、
首相や閣僚達の会議の様子が皮肉っぽく描かれて
単なる怪獣映画とは、かなり毛色の異なる、たとえれば
アクション系政治もの、と呼びたいような展開をしていく。

長〜い名称を、会議やら対策委員会に名付けたり、
なかなか決断できないオジサン達中心の政府を、
慌てぶりにスポットを当てたりすることで、辛辣に皮肉っているように思った。

自衛隊では力不足で、東京を破壊していくゴジラをやっつけるのに、米軍に頼らざるを得ない。
するとアメリカや国連が企てたのは・・

日本中の叡知を集結させて対処すべき大問題、
なのに結局有効な作戦については、各省庁のはみ出し者達が組んだにわかチームだけが解決策を練り上げていく。

ここにこんな俳優が？と、集合した人々の中から、知った顔を探す楽しみも味わったし、
今までのゴジラだと終わりかたがワンパターンだと思うけど、この作品では・・・

あの「エヴァンゲリオン」の監督だから、破壊の派手さも大したもので、
決してお子様向け夏休み映画ではない、大作だと思った。
音楽も、オリジナルのゴジラのテーマがきちんと使われていて、嬉しい。

野村萬斎が重要な役どころのはずが、不覚にも気づかなくて、しまったー(>_<)
でも首相の後ろに飾ってあった片岡球子の富士山の絵は、認識できたから、良かったかな。