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2016年05月01日11:37

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「追憶の森」 マシュー・マコノヒー主演、渡辺謙助演

富士山の青木ヶ原樹海を舞台にしたと聞いて、ちょうど明日から行くから家族3人で、昨日見に行った。
予告編からして、暗い映画なのだろうな、と予想して。

29日封切りの翌日のことだから、当然満席。ほぼ中年以上の客層。
始まりはアメリカのどこかの空港に到着した、主演のマコノヒーがワケありな様子で東京に向かう。というところからして、暗い感じ。
日本に着いた彼は、なぜか渋谷の街をちょっと歩き、新幹線風の列車に乗り、静岡に着く。
あれ?青木ヶ原に静岡側から行くのか?ひょっとして、リサーチ不足?と一抹の不安を感じつつ見ていると
青木ヶ原のシーンに移り、渡辺謙が登場するあたりから、緑の中のサバイバルの様相も出てくる。

とはいっても、渡辺謙が本当はどういうキャラクターなのか触れずに、物語は、アメリカの
ーーーこれが次第にマサチューセッツ州と明らかになるのだけれどーー
マコノヒーの、日本に発つ前の生活が描かれていき、観客には映画のストーリーが見えてくる。
ここまでがけっこう長いのだけれど、見ていた人で席を立って帰ってしまう人はゼロ。
(1100円で入場した人の方が多かったように見えたのに)

ここからはネタばれになるけど、

マコノヒーは不動産業をしている妻と二人暮らし。
ところが、彼は大学で教えてはいるものの、まだちゃんとした論文を書けていない非常勤の低収入。
妻とはいさかいが多くなっていたところに・・・

ということで、この映画の舞台は富士のふもとだけれど、実体はアメリカ人夫婦の物語だった。
樹海の緑に包まれて、なかなか現れてこない真相を、ゆっくり解き明かしていくと、
ミステリーというよりも、大人の不思議物語みたいな作りとなっていて、
見終わってからも、何回も反芻するような作品だった。

作り手の強い思いの表れているような映画。
そして一人では見ないで、複数で見て、語り合いたいような作品だった。
涙もろい人はティッシュ1パック以上必携。

こうして最後まで見て、
樹海へは山梨県から入ると、国際的に公表しない方がよい
という判断から、わざと静岡経由に見せたのか、という考えに至ったのでした。
(しかも渋谷を歩いていくと新幹線に乗れるという印象まで与えて??)

ただ、一点(例によって)字幕の訳が気になってしかたなかった。
最後に、マコノヒーが学生と対話すると、ある謎が解ける、みたいになるのだけれど、
そこの訳に、ヘンに意訳がつけられているというか、最も一般的な日本語を当ててしまっていて、
マコノヒーの「その後」を表す言葉だったのに、それが表れていない。
もうこのレベルは、誤訳といってもよいのではないか、と思えた。
せっかくの映画なのに、もったいない。

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