地方の新聞の連載小説、面白かった。
子供を親から離して集団生活させる団体<ミライの学校>、
かつての所有地から少女の白骨死体が発見された。
もしかしたら、行方知らずになった孫娘ではないか、と
弁護士の法子は老夫婦から依頼を受ける。
その<ミライの学校>は、法子自身が小学生の頃夏休みの一週間を合宿して過ごしたところだった。
法子は頭は良くてもクラスでは浮いている子どもで、そのことで悩んでいた。
が、<ミライの学校>で知り合ったミカとは仲良くなれて、楽しかったのだが…
イジメとか意地悪は、この作家の得意分野かと思うのだけど、
今回は、カルト宗教団体のような組織の中で、先生と呼ばれる大人たちの人間模様も絡めて、
終盤に向かって、恐ろしい雰囲気を臭わせる展開になっていく。
また、法子自身、共働きでワンオペとまではいかないが、
幼児の子育てに振り回されるキャリアウーマンで、
保育園を巡る困難は、現代の生きづらさを反映している。
登場人物達の幸せを祈らずにいられないような長編。
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