数学の天才少女をめぐる、ヒューマン・ドラマ。
面白かったし、平日18時50分開始の回が、ほぼ満席。
映画評論家の間では高評価な作品で、特に小1のヒロイン役が素晴らしかった。
メアリーは母親の自殺により、母方の叔父と二人でフロリダの小さな家に暮らしている。
隣家のアフリカ系女性ロバータ(オクタヴィア・スペンサー)が、唯一の友だ。
叔父のフランク(あのキャプテンアメリカ役のクリス・エヴァンス)は、ちょっとワケありな感じで、
マリーナのプレジャーボートをフリーランスで修理して生計を立てている。
物語は、メアリーが地元の小学校に入学したところから始まる。
担任はすぐにメアリーの才能に気づくが、フランクは英才教育を拒否。
そんなこんなで、亡き母が絶縁していた祖母が大学町のボストンからメアリーの親権を奪いにやって来る。
低所得でかつかつの生活者フランクたち。
でもフロリダの景色は美しく、
雄大な自然と共に生きる叔父・子の姿には心を惹き付けられる。
物語としては穏やかな方かもしれない。
が、ものすごく複雑な数式を黒板に解いて見せるシーンなどは、
数学好きにはたまらないのでは?
また、あのキャプテンアメリカを思わせるようなフランクの陰ある面立ちも、やっぱり魅せる。
さて、ネタばれになるかもしれないけど、
結末について、ぜひ一言解説を試みたい。
アメリカで小学生の女の子を育てた経験のない人にはわからないこと。
ラストでメアリーが数学を学ぶシーンで、彼女が着ていた茶色のベストが、
実はある「ステータス」を一瞬で明らかにしている。
ブラウニー
ガールスカウトのジュニア的なクラブで、
地域別に所属するべきチームが決まっている。
大抵小学校の一学年に一つ、とか。マンモス校なら複数かもしれない。
そこに入れた、ということは地域の普通の女の子の仲間入りができて、
しっかり地に足をおろせた、幸せを築きつつある、ということ。
メアリーと楽しげに手遊びをする子の方が、
ベストに縫い付けられたワッペンの数が多い。
でも!メアリーのにも、複数ある。
ということはメアリーも、ちゃんとチームの仲間達と
ジュニアガールスカウトの活動を重ねている、ということ。
こうして彼女は、しっかりと地域で生きているのだ。
素晴らしい明るい結末。
でも、
この仕組みを知らない国々の人には、理解が難しいような気もした。
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