現役の日本人作家の中でも、繊細さにおいてはトップ10に入るだろう、
と私は常々感じているのだが、そんな江國香織の
エッセイと掌編小説集。
期待以上に興味深く、たまには爆笑の短編集だった、面白かった。
江國滋の娘として生まれ、妹と仲良しの深窓の令嬢としてお育ちか、と思っていたが、
実は外で遊ぶ(とは言っても一人で)ことが好きな子供だった、とか
うさこちゃんシリーズの出版が、1964年よりもっと遅かったら。と思うとぞっとする、とか、
自分は「庇護されたがり」だとか、
これまで江國ワールドを堪能してきた読み手にとっては
いちいち納得、合点がいく逸話がたっぷり。
そして、瀬戸内寂聴や石井桃子などの名前が挙がるのだが、
一遍まるまる「川上さんへの手紙」ーー酒豪川上弘美と飲んだ後の手紙がある。
これは川上推しには堪らない。
江國ファンなら、買って読んで、枕元で触れたまま眠れそうな、薄いが深〜い一冊。
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