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2021年01月25日11:35

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「お探し物は図書室まで」青山美智子著

自治体のコミュニティハウス内の図書室の司書がもたらすお話集。
とても面白い連作短篇集で、どの作品も読みやすくて優しくて、
辛い状況を生きる老若男女の奮闘記ともなっている。

いかにも都市の郊外にある小学校に併設されたコミュニティハウス、
そこにある図書室は蔵書もなかなか充実しているが、
何と言っても最大の魅力はレファレンスコーナーの司書・小町さゆりだ。
大柄な彼女はベイマックスとも巨大な鏡餅とも表現される。

どの世代にも、性別や既婚未婚子持ち等を問わずに、生き辛い思いをしている人がいる。
中には外出さえしにくい若者も。
そんな彼らに、
「何をお探し?」と小町さゆりさんがステキな声で問いかけるところから、
偶然が重なって、各話の主人公達に道が開けてくる。

ハラハラやドキドキは無いけれど、意外なハプニングや、
思いがけない人の優しさに包まれたりして、
読後感がとても好ましい。

チョコっとネタばれになるけど…

司書のさゆりさんが本の付録として手渡す小さなプレゼントが、
各物語での悩める主人公達に、解決案やら仕事まで
奇跡をもたらす様が快感。
また、司書の小町さゆりチョイスの実在する本たちも、
「ぐりとぐら」を始めとして、ステキだ。

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