小さくて地味な会社で穏やかに展開していくようで、
実は奥が深く、心にぐんと入りこんでくるお話、とても面白かった。
社員6名の栗田金属に中途採用された藤沢美紗は、月経前症候群で辛い思いをしている。
後から中途採用された山添孝俊はパニック障害を患っている。
そんな二人が相手の病気を気遣い、初めはおっかなびっくり、
やがて段々と深く関わってゆく…
この会社の全ての人が、優しい。
大きな出来事やイベントは、まあ起こらないに等しいが、
とにかく二人の病が何とも気の毒で、
寄り添うように読み進むと、ハラハラさせられる。
そんな中の、軽妙なやり取りに度々爆笑してしまう、
そこがとても魅力的な一冊。
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