ギフテッドとは、「先天的に平均よりも高い能力を備えて」いる子ども、として描かれている。
まあ、ざっくり言えば天才児のような。
そういう子どもと中学受験をテーマにした長編で、とても面白かった。
主人公の凛子は東大卒独身だが、
最初に就職した会社を、パワハラ等の理由で辞め、今は在宅で翻訳などをしている。
ほど近くに住む妹一家の長女⋅莉緒が、中高年一貫の難関校を受けるというので、
凛子は妹から家庭教師を頼まれる。
莉緒は、ギフテッドではないか、と気がつく凛子は、
より一層注意深く、莉緒の一家を見ながら、家庭教師役に注力するのだが…
一般的に学校のクラスからはみ出される子は、
できが悪いとか家が貧しくて親が放置気味とか、
しかしこの小説では、頭が良すぎてクラスから浮いてしまい、
更には凡人の親に理解されない子どもの悲劇を
わかりやすく丁寧に、かつ面白く描いている。
話が進むに連れて明らかになって行く主人公の過去や
妹一家の家庭の事情は、いかにもアルアルで、
同情と共感を誘う。
1つ捻りもあるし、テンポよく楽しめた。
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