廃刊になった、あの新潮45+ に連載され、最終章は出版叶わなかった
という曰く付きの労作、昭和世代には懐かしかった。
資料を読み込んでまとめた、研究論文と呼びたいような
この著者にしては大変マジメな評論、読みでがあった。
ラジオ、テレビのCMソングの帝王或いは巨匠として一世を風靡。
「弟子」の中には野中昭如もいた位、勢いのあった作詞作曲家。
作ったCMは長期にわたって放映されたものも多くて
船橋ヘルスセンター、仁丹などなど、
本当に昭和!
さらにテレビ漫画のテーマソングも手掛け、
あの「鉄人28号」も。
泉麻人は、資料集めに国会図書館に行って、当時の週刊紙を閲覧するが
紙のページをめくると、その当時の事件にも目をやり
彼独特のコメントを加える。
それが何とも面白い。
とてもユニークな昭和史の解説書的な?
三木鶏郎はバリバリ作品を作っていったのに、目をかけた人物がとんでもないトラブルに巻き込まれてしまったり、
糖尿病に悩まされたりと、段々華やかな場所から消えてゆく。
彼と関わった人の中に、川上弘美の実父がいた
と知ったのは驚きで、彼女の小説の中の、不思議な笑いは
父親譲りなのかもと考えると、納得のミニ知識
嬉しい収穫だった。
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