芥川賞作家の短編集。とても読みやすくて、どんどん読んでしまった。
6篇の全てが、若いあるいは若い目の女性を主人公にしていて、しかも東京まで中長距離の町が舞台。
一作目では、職場における人間関係トラブルに陥っているような、やや薄幸な女性、
二作目では、大家族で三人姉妹の末っ子の危なっかしい女子高生、
などなど、ヒロインだけでなく家族や周囲の人々もきっちりと濃いキャラとして描かれていて、どんどん興味をひかれるし共感もできる。
中でも、ラストのおばあちゃん恋もの「わたしのおばあちゃん」には、ぐっと持っていかれた。
秋の寂しい夜長に読み切れる佳作集。
人恋しくなるかもしれないけれど、ほっこりもできそう。
タイトルのうち重きを置くべきは、「ブルー」の方と言えると思う。
海やら潮騒やら華やかなバカンスなどに、期待してはいけません。
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