mixiユーザー(id:7990741)

2017年08月31日15:18

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「風葬」桜木紫乃著(文春文庫)

この作家ならではの道東もの。
どろどろの恋愛というよりはミステリーの範疇で、面白かった。

夏紀はシングルマザーと釧路で書道教室を開いている。
が母が60代なったばかりなのに認知症が出始め、
ふと漏らした「ルイカ岬」という地名に、夏紀は自分の出生の秘密を探り始める。

涙香岬のある釧路に向かい、心に傷を持つ元教師の 父と息子と出会った夏紀。
さらに、その沢井父子に、隆盛を極めた頃の根室を知る旅館の女将等が絡んでくる。

その辺りから、物語は沢井父子に焦点を当てて展開する。
過去の死者、現在の自殺者ーーさらには夏紀の父親は?
スリルには欠けるものの、大人の冒険が語られる。

相変わらず北海道の描写が素晴らしく、
大がかりなサスペンスや謎解きからは程遠いけれど、楽しめた。
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