mixiユーザー(id:7990741)

2015年04月03日23:01

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「王妃の館」 浅田次郎著(集英社文庫)

映画化されて、予告編が気になったので、まずは原作を読むことにした。
考えてみたらこの作家の本をまともに読んだことはなかった。
イメージとしてはかなり文学あるいは文芸作家としては実力派、と思ってきた。

にもかかわらず、読み始めて数ページでビックリ。
まるで

ライトノベル

というか、ラノベの人気作家、たとえば有村浩の方が、よっぽで格調高いのでは?と思えるほど
とにかくコミカルで軽い。

王妃の館とは、パリの小さな高級ホテル。大変格調が高く、なかなか泊まれないのにもかかわらず、
日本からのツアーの宿泊客を受け入れてくれることになった。
が、そこには大きなワケが・・・・

そのツアー客が個性的で一癖もふた癖もあるような連中ばかりで、メンツを見ただけでも、
何かが起こるに違いない、という印象を与える。
さらに、物語は、太陽王ルイ14世とその世継ぎの話を劇中劇のように盛り込んで、
パリの魅力たっぷりにつむがれていく。

何ともマンガチックな展開で、登場人物たちが生き生きとおバカを演じ、おかしいのだけれど、
そこは浅田作品だから、終わりの方では、ちゃんと語るべきところは語られているのが好ましい。
そぅ、人間死んだら終わりなのです、よね。

桜の季節、コミカルな軽い話(といっても上下巻だから長い)を、ちょっと深読みしてしまいました。
映画を見に行ったら、パリに行きたくなってしまう、のかもね。
去年見た、ウッディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」と比べてみようかな。
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