今年芥川賞を受賞した作家の一昨年出版の小説。
読みにくかった。平易な文章にも関わらず。
面白いとか楽しいとかでは語れないけれど、読了した。
児童養護施設で育つ少年の物語。
子供を主人公にして、大人の姿が浮き彫りになって行く
のだが、登場する大人達が、何だかなあ…の人ばかり。
だからこそ自立している少年達が頼もしくて好ましい。
ただ、メリハリに欠ける物語のようにも感じられた。
もう一篇収録されているのが、
「膨張」
こちらはアドレスホッパーという、定住する住まいを持たない
若い女性の話なのだが、設定が特異なためか、
ドキュメンタリー映像を見ているような読後感。
これもあまりピンと来なかった。
芥川賞作家というものが、私の好みから遠くなってきているのかな、との感じを持った。
読書にはワクワクとか感動とか、驚きや高揚などの面白さを望みたいし、
登場人物達に寄り添いたくなるものかと思うのだけれど……
でも、読むのを止〜めた、とはならなかった。
ログインしてコメントを確認・投稿する