中島京子お薦めの短編集。悲痛な展開の小説が多いのだが、とても面白かった、
また、後書きを訳者が書いているのだが、
それを読んで納得しなおすという満足の一冊となっている。
作者は1936年生まれで、没後の2015年にベストセラーとなった。
貧困、アルコール依存症、祝福されない出産など幸薄い人々の営みが、
時に一人称、そして時には第三者の目によって巧みに描かれて、
アメリカ西部のゴタゴタした街に暮らす人等の、
特に女性の孤独や人情が鮮やかに浮き彫りになる。
「そこには絶望もあるが不思議な明るさもある」と中島京子は評しているが、
そこが堪らなく魅力的で読みごたえのある短編集だった。
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