今回の芥川賞候補作、タイトルに惹かれて借りて読んだ。
この作家は三島由紀夫賞を受賞しているのだが、名前すら知らなかった。で、かなり面白かった。
栃木駅に程近くに住む ぼくは高校2年生で、歴史研究部員。
個人研究のテーマに、と地元の皆川城址に上がったところ、一人の関西弁の三十代位の男に出会う。
土地の歴史に詳しいその男に言いくるめられるままに、
ぼくは地元の旧家に存在しそうな書物を探し求めることに協力することになる…
主人公は高校生ながらも、なかなかの歴史研究家で、
また、男の方も、地元の人間ではないのに地誌に詳しく
平日の放課後に主人公と会って情報を受け取り、細やかな指示を出し、
やがて二人は密な共同研究チームを組んでいく。
騙されているのでは?と、主人公のことを心配しながら読み進むと、
ラストに……
お、こう来たか!という流れ。
ちょうど終わった大河ドラマに出てきた、天狗党の事にも触れ、
栃木の歴史のお勉強をしながら楽しく読了した。
ログインしてコメントを確認・投稿する