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2020年10月22日21:30

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「スパイの妻」黒沢清監督 蒼井優主演

ヴェネツィア国際映画祭の銀獅子(監督)賞受賞の「ミステリーエンタテインメント」。
平日の夕方、コロナ禍なのに5割を越える入りだった。

1940年の神戸を舞台に、日本が戦争に向かう頃の殺伐とした状況の中、
貿易会社を経営する優作(高槁一生)は、豪華な邸に、妻・聡子(蒼井優)と暮らしていた。
彼は映画を撮るのが趣味で、甥(姉の息子)が彼の会社で働きながら映像製作の手伝いをしていた。

満州に渡った彼らは、関東軍の重大な秘密行為を目撃してしまう。
それを告発しようとする優作に、聡子は・・

「スパイ行為」に目が行くようにストーリーも展開するのだが、
キーとなるのは若い夫婦の、相手に対する嫉妬と不信感だ。
そこに強権を持つ憲兵の目が光り、お決まりの拷問も。
そこはホラーも撮っている監督だから、ドラマティックに恐ろしい。
けれどもホラー映画とは全く異なる、いわば落ち着いた恐怖、とでも言えるかもしれない。

ここからはネタばれになるけど、

聡子は夫の甥っ子に対する愛情を軽く見すぎた。
なんといっても、姉の息子だから、それは特別な親族で、
所詮は血の繋がらない妻よりも、もしかしたら優作には愛しい存在だったのではないか、
そう解釈すると、合点の行くストーリー展開だと感じた。
或いは、優作は自由の国アメリカに強く憧れていた、または妖艶な美女に心が移った
という解釈の方が正しい、かな。
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