母と娘の物語であると共に、独身女性の奮闘もの。面白かった。
同棲していた恋人に騙され全てを失った倫子。
只一つ残された、祖母の糠床を抱えて、故郷に帰り、
母の下で食堂を始めることに。
天才料理人でもある倫子、しかし母とは幼い頃から折りが悪く
支えてくれるのは、小学生時代から世話になったバツいちの熊さんだけ。
1日一組限定で作るのは、地元の食材を生かしたものばかり。
その調理の描写が、実に美味しそう。
また、訪れる客も個性的で楽しい。
順調に地元に根付いていくようだったが、やがて・・
お仕事奮闘もの、毒母もの、と思って読み進むと
意外な展開になっていくのだが、
同じ著者の「ライオンのおやつ」のような、
先が見えていても、やっぱり泣ける、ほどのことはなく、
本好きの友人も、「ライオン〜」の方が好き、と。
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