著者は浩宮様の元ご学友。
本書には70年代後半からのツーショット写真が随所に散りばめられ
いかにも親しくしていました、風の作りになっている。
アンドルー・アークリーは学習院の高校が受け入れた
初の留学生男子二人のうちの若い方だ。
天皇陛下の一学年上だったのだが、高校の地理研究会でご一緒、
しかも国内を旅行して回る部活だったので、
地方での歓迎ぶりを体験することもできた。
実はこの著者を私は知っている。
彼の母国オーストラリアに、私も同じ留学制度で留学したから。
学習院は彼ら初代男子留学生を大切に預かって、
その延長として、とも言えるようないきさつからか、
著者らはお正月に東宮御所に招かれるという大変貴重な体験をする。
そこで調子に乗ったアンドルー君、後に外語大の留学生として再来日した際に
自ら浩宮様の英語のお話し相手を申し出て、
主に週末に、時々御所を訪問するようになる。
そこから美智子様や礼宮(当時の)様という方々とも偶然にお目にかかるという幸運にも恵まれる。
そんなエピソードが魅力で、気がついたら巻末の「天皇陛下関連年表」まで
ほぼ一気読みしてしまった。
私の記憶では、この著者はイケメンで、自我の強い人だった。
この本も彼の視点が貫かれているのだが、
陛下がお若い頃に書いた芳名帳など
直筆の書面がいくつか掲載されていて、
いくら開かれた皇室とはいっても
プライベートをこんな風に公開したなら、まるで
穏やかな暴露本、その限界ギリギリの感じを持った。
でも天皇陛下ウォッチャーには、やはりオススメの一冊。
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