mixiユーザー(id:7990741)

2015年10月15日18:31

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「朝が来る」 辻村深月著

直木賞作家、というよりは、私にとっては「ツナグ」の著者の新作。
途中までは、ひと言でいえば、

三人のダメな母親のものがたり

とも言えると思った。

いきなり、ざわざわした感触の始まり。
主人公の最愛の一人息子が幼稚園の仲良しの男の子に、突きとばされた、と言われる、
というママ友のごたごたが、まずは描かれる。

が、先に進んでいくと、一人っ子と専業ママの絵に描いたような三人家族が、実は・・・・
そこに、もう一人のできそこない母というか、少女が主役となって、別の物語が語られる。

でも私の目を引いたのは、サイドストーリーにより浮き彫りにされてくる
最も憎むべきというか、ダメ母というよりも、むしろ毒母ともいえる存在。
この母親に関しては、主人公扱いではないから、男性読者などは
読み飛ばしていくキャラクターかもしれないのだが、本作の悪役でしょう。

どんどん行替えが行われているから、厚めの一冊なのに短時間で一気に読み切れる。
先の二人の母親の今後を知りたい気がする。
完結はしているものの、続編が出ないかなぁ・・・
月並みだけれど、子を産み育てることの意義を改めて考えさせられる小説だった。
おもしろかった。

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