満場一致で江戸川乱歩賞を昨年受賞した長編、読みやすく面白かった。
舞台は、数ヶ月後に小惑星の衝突によって地球が滅亡するとわかっている、北九州で、
主人公のハルは大卒一年目の女性だ。
4人家族だったが、父親は自殺、弟は引きこもり、母は行方不明。
自宅近くの自動車教習所で、たった一人残った女性講師イソガワ先生に、
個人レッスンを受けに通っている。
そんな中、教習車のトランクに女性の遺体を発見して…
教習車を使ってのロードムービー的な展開をする物語なのだが、
ディストピアものなので、何やらおどろおどろしいような雰囲気もある。
が、次々と登場する人物が、なかなか魅力的でもあり、
最後まで引き付けられた。
ただし、推理ものとしては、犯人探しがやさし過ぎる、と私も感じたし、
巻末に添えられた、賞の選評者達の評価でもある。
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