横溝正史ミステリー&ホラー大賞受賞作。なるほど、面白かった。
三咲は辛い過去を背負った一人暮らしの女性。
ある夜ワケありな若い女性と知り合い、同居を始め、
彼女をカナちゃんと呼ぶことにするのだが、
その由来カナリアは、危険を察知するのに用いられ、
身元不明の自殺志願者にはぴったりの呼び名だった。
この二人は、祟りで人が死ぬ怪談を求めて、
他の男性等の協力を得ながら、長野県まで訪ねて行くのだが…
三咲が怪談のネタ元を追及する姿勢が真面目で、
不思議系のカナちゃんも合わせて、ストイック。
その姿は共感を呼ぶ。
変わった仕事をする三咲と、寄り添うカナちゃんには、それなりの訳があるのだ。
この小説を読むと、怪談のできるまで がわかるような気がしてくる。
主人公のとても辛い過去に寄り添いながら、
はらはら感を楽しめる長編。
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