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2020年08月11日00:20

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「いま、翔び立つとき」メリンダ・ゲイツ(ビル・ゲイツ夫人)著

コロナウイルスとは言わないまでも、感染症の脅威を心配してきたのが
ビル・ゲイツ。
そんな大富豪が妻と設立した財団の、いわば活動レポート。
財団議長ご本人の執筆で、去年の出版、
スピード翻訳なので誤訳箇所も見受けられたけれど、読みやすかった。

メリンダがビル&メリンダ・ゲイツ財団で、アフリカやインドなどに出向き
時には娘と共に、貧しい民家にホームステイまでして
女性の無償労働や児童婚、さらには避妊する権利まで
男女平等を達成しようと奔走する、などなどの奮闘記。

まずはメリンダがカトリックであることが述べられるが、
アフリカなどの国々で、幼くして結婚させられた女性は
避妊する権利がない。
それどころか人権さえ危うくて、夫からの暴力も頻発。
望まない時期に妊娠してしまうことが、いかに女性の人生を縛りつけるか

でも、カトリックでは中絶は無論のこと、避妊さえタブー。
メリンダの宗教との葛藤まで、切々と語られる。

大富豪の妻としての単なるチャリティに留まらず、
世の中を良くしたい、と積極的に動く姿が、
いかにも知的なアメリカ女性らしくて好ましい。
私が住んでいたニューヨーク郊外の、大邸宅の主婦にも通じる。

あの ビル・ゲイツに、保育園への送りをさせたエピソードや
夫婦喧嘩の一歩手前のもめ事などの披露もあり、
そんな、夫婦の生活ぶりのところも興味深い。

さらに、ウォーレン・バフェットから多額の寄付を受けたことや
ジミー・カーターとの交流なども
面白い。

ところで私のホストファザーが西海岸に友だちを訪ねてシアトルに行った時

夫婦二組で、その友人のボートに乗って豪邸の数々を川から眺めた時に
「あれがビル・ゲイツの家だよ」
指さす先の庭に、ビルがいた!
四人で手を振ったら、振り返してくれた

というのが、オーストラリア人のお父さんの自慢話なのだが、
今回このノンフィクションを読んで、
彼の話は真実だ、と一層信じられるようになった。



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