mixiユーザー(id:7990741)

2017年12月05日12:30

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「トップリーグ」相場英雄著

新聞の広告を見て面白そうと思ったら、期待以上だった。
社会派長編小説だけれど、登場人物の行動がわかりやすいので、
とても読みやすくどんどんページをめくった。
読んでいて電車を乗り越さなかったのが不思議なくらい。

主人公は大手新聞社の記者・松岡。
経済部から政治部に「一時的に」異動させられたはずが、
官房長官の記者会見で質問をしたことから、阪官房長官に気に入られ、裏懇談会のメンバーに異例の抜擢を受ける。

ところで、松岡と同期入社した酒井は、ワケあって退職し、すっぱ抜きで有名な週刊新時代の記者となったが、
工事現場で見つかった古い金庫に、聖徳太子の一万円札の束が入っていたことに注目し、背後の事情を追い求め始める。
関係者があっという間に殺されたことから、それが昭和の大事件「クラスター事件」に
つながるのではないかと取材にのめりこんでゆく。

表紙を見ても、明らかに、今の総理大臣風の男が官邸のような建物を歩いている
ということで、実際に起きた事件と今生きている政治家たちを連想させながら話が進むので、
沢山出てくる人物を、昭和の大物たちに当てながら読めるから、わかりやすい。
逆に平成生まれにの人は、楽しめる度合いが減ってしまう、かも??

ロッキード事件の第三のルートの真相を解き明かせるのかっ!!
という太い幹に、
今の若者たちを悩ませている共稼ぎ家庭の保育の問題が絡まり、
平成の社会派小説としても、リアル。
私はあまり社会派ものは読まない方だけれど、これはテンポが速くて楽しめた。

ただ、結末が、ねえ〜〜。
ま、いっか。

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