この著者だから、と期待したけれども、あまり私の好みではなかった。
作りとしては、Side A と B という二部形式で、彼女 と 彼 が主人公の、恋愛小説。
固有名詞を排除し、いかにも書き手が主人公、という形をとっている。
というのも、ヒロインの職業が・・・
Side A では、ヒロインが瀕死の奇病に侵されているというところから始まる。
例によって、とても読みやすい文章で、サクサク読み進んでいくと、ラブラブの二人の様子が好ましい。
けれど、彼女の引きずっているものは、重い。
下手すると三流メロドラマになりそうな設定を、テンポよく展開させて、一気にSide Aが終わると、
同じ登場人物らしき、彼女 と 彼 が、Bでも描かれる。
作家稼業の裏側を覗くこともできるから、有川ファンには、そういう点も魅力かも。
でも、私が思うに、この作家の代表作にはならないだろうな、という長編だった。
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