今年もやりましょうとのお声がけをいただきました。
オーディオ仲間が集まって、それぞれがこれはと思う《快音レコード》を持ち寄ってのオフ会です。オール・アナログレコード。
一聴して、思わずのけぞってしまうほどの衝撃。
昨年からすれば大違い!そういうと去年は何だったのかと言われそうですが、オーディオというのはそういうものなのです。もうこれで極めたと思うほどの音も、次にはまた新たな衝撃が。上には上があるもの。じゃあ、それが次から次へと進化すればどれほどのものになるのかとツッコまれそうですが、オーディオというのは際限がありません。
Mさんのシステムは、マッキントッシュの巨大なスピーカーとパワーアンプがアウトプット、そして光電式のカートリッジがインプットという構成。背丈を超えるツィタータワーですが、広いサロンの天井はずっと高い。ターンテーブルは、テクニクスの最高グレードのDDターンテーブルを特注の黒檀のケースに納めたもの。
昨年との違いは何かといえば、先ずは光カートリッジをさらに上級のものに交換したことと、フォノイコライザアンプ。
従来はカートリッジメーカー純正のアンプでしたが、これをDVAS(DeepValleyAudioSystems)の最新モデル(model 1b)に置き換えられています。直感的には、このフォノアンプがスゴイ!という感触です。Mさんによると、中は大型トランスがいくつも並び、大容量コンデンサでぎっしりなのだそうです。
先ずはMさんが準備したLP盤。
昨年以上と思わせたのは、何と言ってもボーカル。朗々と歌う声色は、少しの滲みも曇りも感じさせず熱くほとばしるように雄弁に聴き手の胸に飛び込んできます。
度肝を抜かれた思いがしたのは、谷村新司の《翡翠/JADE》。
谷村はとにかく歌がうまいし声がいい。それがセンターで朗々と歌い、腹に届きます。今回の進境ぶりはこれに尽きるとさえ思いましたが、女性ボーカルであっても、大橋純子や、あるいは、いたちょうさん持参の中本マリであっても本質は同じだと感じました。あるいは、太田裕美のいかにもソニーらしい硬質の精緻な音調であってさえ共通のものを感じるのです。一年前には、ソフトによってはセンターの女性ボーカルが奥まってしまいがちだったのですが、今回は実在感確かで力強く前に向かってくるし、バックスがいかに強烈であっても埋もれることがない。
一年前の比較ということでは、とてもわかりやすかったのは、デュプレとバレンボイムのデュオ。
二人の存在感が確固としていてぶれない。チェロとピアノの音色・質感も確かで、その個性が実に鮮やか。BBCによるライブ収録の背景雑音がリアルで鮮明なことはヴィニル盤ばなれしたところさえあります。
実は、昨年、私が定位がやや不安定だと言って、そのことを気にされてMさんはスピーカーのセッティングを徹底的に見直したそうです。マッキントッシュには厳然としたセオリーとかフォーミュラーとかがあるそうですが、それをいったん無視して、聴感だけで追い込めるだけ追い込んでいった。そう言われてみると、バスユニットなど平行法からすればかなり内向きだし、左右幅もわずかに狭めてあるようです。
皆さんが持ち込まれたヴィニル盤の《快音》ぶりにすっかり圧倒されて、おずおずと取り出した私の持参盤は全てクラシック。
これが実はあまり鳴りっぷりがよくなかったのです。
(つづく)
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