二十世紀音楽の源流をたどり、そこからほとばしり出た音楽の流れの道筋を確かめていこうという現代音楽史論。書かれてからすでに35年の月日が過ぎているが、読み返してみると、今なお、内容は色あせていない。好著、良書のゆえんだろう。初読当時には紹介さ
金管楽器奏者というのは、ネアカで前向きな性格だと相場が決まっています。なおかつ、失敗を怖れない思い切りの良いギャンブラーみたいなところがあります。そういう前向きな性格も現下の状況にちょっと元気が足りなかったかなという印象でした。日経ホールで
コロナ禍のさなかに執筆、刊行され、クラシック音楽の存亡が脅威にさらされているとの危機を訴える。クラシック音楽のなかでも、大ホールで二千人規模の聴衆が集い、ステージ上には大規模編成のオーケストラと合唱、合わせて二百人余りが所狭しと並んで演奏さ
突発性難聴と耳鳴りに悩まされる「私」が、雑誌取材の罹病者座談会で出会った速記者「Y」との交情が浮かび上がらせる記憶と幻想の世界。きっかけは、青柳いづみこのエッセイ「六本指のゴルトベルク」の一章「耳の不思議」で紹介されていたから。小川洋子は好
西洋音楽とキリスト教は切っても切れない関係にあります。しかし、キリスト教徒でもないのに、やれクリスマスには歌い騒ぎ、バッハの「マタイ受難曲」は至高の芸術だとか、モーツァルトの「レクイエム」が自分の一番好きな曲だとか言って、いい気になっている
フルトヴェングラー信奉者の、フルトヴェングラー信奉者による、フルトヴェングラー信奉者のための書。崇拝者のなかでも抜きん出て著名な丸山真男を囲んでの鼎談がまずあって、それを補足する形でそれぞれの小論文が書き加えられた三部構成になっている。丸山
オペラと「楽園」とは、切っても切れない関係にあるという。そういう切り口から近代オペラを考えようという一書。「楽園」(Arcadia)というのは、古代ギリシアに源を発する牧人の楽園のことで、キリスト教のエデンの園にも通じ合う理想の楽土のこと。古代ギリ
あえて「再読」としたのは、どれもどこかで読んだという気がしているから。とはいえ、一冊にまとまった形で読むのは初めて。朝日新聞とレコード芸術の連載をまとめたもので、そのタイムスパンは、1979年から2002年と20年に渡る。その視点はあくまで