前年に公募新人文学賞を受賞したばかりだった著者は、二泊三日の東北旅行に出かけた。松島に一泊後、友人を訪ねて仙台駅から福島いわき市を目指して常磐線の列車に乗る。その電車が、相馬市手前の新地駅で停車していたときに東日本大震災に遭う。その時の体験
言ってみれば、これは終戦秘話。日本人の目に焼き付いている敗戦の映像というと、8月15日の玉音放送、8月30日連合軍最高司令官マッカーサーの厚木到着、それに9月2日の戦艦ミズーリ上での降伏文書調印という3つぐらいしか語られない。特に8月15日
パシフィック・フィルハーモニー東京(PPT)を聴くのはこれで2度目。横山幸雄は、初登場。私自身は、恥ずかしながら、横山を聴くのは初めて。それだけにまったく予断のない虚心坦懐のままに聴きましたが、これはもう極上のベートーヴェン。ピアニズムや管
アンティ・シーララは、ベートーヴェンのスペシャリストなんだそうです。その剛毅剛直なベートーヴェンに度肝を抜かれる思いがしました。まさに鋼鉄のピアノ。大曲三曲を5分間の小休憩を挟みながら一気に弾ききってしまう。ベートーヴェンのソナタのなかでも
読響のメンバーによる室内楽プロジェクト。いろいろなリーダーの下で様々な編成での企画のアンサンブルシリーズです。なかでもいちばん楽しみにしているのが日下紗矢子さんが率いる室内合奏団。日下さんが率いる室内合奏団は、ベルリン・コンツェルトハウス室
フォルテピアノの連弾――しかも、フォルテピアノは、スクエアピアノも加えて2台、さらにモダンピアノも加えて3台を弾き分けるという、ちょっと豪華なコンサート。ピアニストは、目下、大活躍中の川口成彦さん。その川口さんと同世代で、ブルージュ国際古楽
第15回日経小説大賞受賞作。江戸時代後期の奥州を舞台に繰り広げられる極上の歴史ミステリー。選考委員3氏の全会一致での選出だったそうだ。なるほど、謎解きとほのかな男女愛の機微とを絡ませた筆致はエンタテインメントとして見事で、そこに幕末時代の幕
クラシックファンなら知らぬ人はいないだろう。あっという間に世界で活躍するトップアーティストになった藤田真央。ちょっと規格外の天才で、その天然なキャラクターが、ベストセラー小説の映画化「蜜蜂と遠雷」で演奏を担当した風間塵そのものに重なり合う。