mixiユーザー(id:26897873)

日記一覧

このところ、とても小さなリサイタルスペースの近江楽堂にすっかり目覚めてしまって、今年11月以来、このホールでの3度目のコンサート。きっかけはWAONレーベルの新しいCDの記念演奏会でした。その時に手にしたちらしで目にしたのが、このゴルトベルク変

続きを読む

東京・池袋の東京芸術劇場コンサートホールでのブランチコンサート。ウィークデーのマチネ、1時間きっかりで正午に終わるカジュアルなコンサートですが、再び隣席をひとつ空ける自粛ムードに戻ってしまいました。おそらく追加のチケット販売を取りやめたので

続きを読む

田部京子さんが、浜離宮朝日ホールで続けているドイツ・ロマン派のリサイタルシリーズ『シューベルト・プラス」の特別編。7月に予定されていた第7回が中止となったのですが、チケットの払い戻しの連絡がないまま、どうなることかとやきもきしていたら、突然

続きを読む

池袋・東京芸術劇場の「名曲リサイタル・サロン」も中止や延期が続きました。今回の「第7回」も5月に予定されていたものの振替公演。石田泰尚さんは、このところ元気いっぱいで何かと話題の多い神奈川フィルの顔役でもあり、ソリストとしても、あるいは、話

続きを読む

別府という地方都市を舞台に、そこに集散交錯した個々の住民が体験した『戦後』を徹底的に調べ上げて、リアルな実相で浮かび上がらせている。その取材は、詳細を究め多岐にわたる。これまで日本の敗戦の歴史は、首都東京という中央を舞台に、その中枢にあった

続きを読む

標題は、映画「羊たちの沈黙」に登場する悪の天才、食人鬼でもあるハンニバル・レクター博士のこと。博士は左手の指が六本あった。シリーズ「ハンニバル」の冒頭シーンではグレン・グールドの弾く81年盤が流れる。本書は、古今東西のミステリーや純文学に登

続きを読む

山岡重治さんはリコーダー演奏の大御所。そのご尊顔を拝してのリサイタルは初めて。一方の太田光子さんは、もう10年来のファンですが、ここのところご無沙汰。そのお二人がリコーダー2本だけのリサイタルに挑むというので勇んで会場に足を運びました。プロ

続きを読む

鈴木雅明率いるバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)が創設されたのが1990年。以来、その名の通りバッハ演奏の第一人者として世界的に高い評価を得てきましたが、近年は古典派にもレパートリーを広げています。鈴木自身も、モダンオーケストラとの共演

続きを読む

映画「音響ハウス」
2020年11月28日18:56

音響ハウスとは、銀座のはずれにあるレコーディングスタジオのこと。最先端を走り続けてきたシティ・ポップの総本山ともいうべきスタジオの45年の歳月を、松任谷由実・正隆夫妻、坂本龍一、矢野顕子、佐野元春、綾戸智恵など名だたるミュージシャンが語るド

続きを読む

「レコードの世紀」を生き、その演奏という芸術行為の足跡をレコードに遺した40人の名指揮者たちの《私的》列伝。もともとは、EMIの“GREAT CONDUCTORS OF THE 20TH CENTURY”の発売に沿って「レコード芸術」に掲載された紹介記事。従って、40人の人選

続きを読む

9月に再開された定期公演は、チケットはすべてキャンセルされて一切が仕切り直しでしたが、緩和後の今回は、手元のチケットはそのままでの開催。感染対策は徹底しています。正面玄関の外には長い列。館内には列を作らないことに加えて、検温、手の消毒などに

続きを読む

新宿・初台の東京オペラシティの片隅にとても小さなコンサートスペースがあります。その近江楽堂に久しぶりに出かけてみました。音のよいことで気に入っているレーベルWAONからCDがリリースされる、その記念特別演奏会。WAONは古楽器による古楽のアルバムが

続きを読む

ウィズ・コロナになってから、欠かさずこのブランチコンサートに通っています。2千席の大ホールも、制限緩和で本来の収容率が戻ってきて隣席もいっぱいです。それでも大きなスペースなので安心感がありますし、休憩なしの1時間きっかり、大げさな大喝采やブ

続きを読む

8ヶ月ぶりの再開となった新国立劇場のオペラ公演。コロナ禍のためにシーズンチケットは、いったん、すべてキャンセル。再開となって改めてこの9月に再販売となりました。イベントの収容率制限緩和で100%まで収容が可能となり、追加販売がされたので、前後左

続きを読む

シェーンベルクを中心とする、ウェーベルン、ベルクら、いわゆる「新ウィーン楽派」の人々のかかわり合いを伝える口伝史。サークルにかかわった人々への膨大なインタビューに基づいている。インタビューは1972年から74年にかけて行われた。ここに登場する芸術

続きを読む

2月以来、半年ぶりの紀尾井ホール室内管弦楽団の定期演奏会です。定期会員のチケットはいったんキャンセルとなり、入場者の数を制限して再度の発売となりました。私のもともとの定席は2階でしたが、それならば、たまには他の席で聴いてみようと1階席を予約

続きを読む

小室直樹という人は、稀代の変人・奇人で、研究に没頭するあまりその生活は貧窮を極めたそうだ。その才気を惜しんだ友人たちが本の執筆を進めた。それが当たってベストセラー作家となる。一方で、研究そのものはその興味があまりに変転するために専門の体をな

続きを読む

ウィズ・コロナになって2回目のコンサート。この芸劇ブランチコンサートばかり続けてですが、これほど自然な流れの催しは他にないのかもしれないと思ってしまいます。もともと2千席の大ホールでの室内楽コンサートでの休憩無しの1時間ほどのミニコンサート

続きを読む

いきなり、サッカーのワールドカップと対比させるのは、いかにもフィジカルな視点が得意な著者らしい。けれども、「ショパン・コンクール」の草創のきっかけは、まさにサッカーだったそうだ。創設したイェジ・ジュラヴレフは、日頃から若い音楽学生たちの無目

続きを読む

吉村昭の6編の短編小説が収められている。吉村は徹底した取材や記録文献の探索調査をする歴史小説家として独自の世界を持っている。そうやって生み出された長編小説とこれらの短編は対をなしていて、その取材の過程でもたらされた副産物でもあり、あるいは、

続きを読む

無言館
2020年08月16日09:55

長野県上田市にある《無言館》に行ってきました。https://mugonkan.jp/無言館は、戦没者画学生を慰霊する美術館。遺された作品や下絵、素描、あるいは家族に託された遺品は、生きることを希求した青春の息吹や家族への思いがこめられていて胸を打ちます。帝展

続きを読む

父と母の終戦の日
2020年08月15日18:08

父と母は、終戦を仙台市で迎えました。結婚は、その年の3月。新婚ほやほやでした。父は、理系の研究生でしたので兵役を免除され、東京の研究所に所属していました。終戦直前になって研究室全体が仙台の大学に疎開することになったのです。けれども、すでに仙

続きを読む

戦後の社会的風潮からすれば、明治憲法はイメージが悪い。戦後教育では、「五箇条の御誓文」や「自由民権運動」などに較べれば扱いが軽く、主人公と脇役や背景とが逆転しているとさえ思える。一方で、現憲法の、基本的人権、平和主義、主権在民の三大原理と三

続きを読む

駒場から大橋へ
2020年08月12日11:53

さて、猛暑の中の東京散策の続きです。代々木八幡から富ヶ谷交差点を経てさらに行くと、「東大裏」のY字路に行き当たります。かつては、それなりにちゃんとした裏門があったはずですが見当たりません。東北沢方面に少しだけ行くとグラウンドの裏に通用門のよ

続きを読む

初台
2020年08月11日21:29

猛暑日のなかを久々の近隣散策に出かけました。今回は、自分にとってとても懐かしい場所の散策です。ひたすら山手通りを進み、初台まで。初台駅から続く、細長い緑地帯。ここはもと線路でした。京王線は、1978年(昭和53年)に新宿〜笹塚間に別線(京王新線)

続きを読む

ポピュリズムという言葉が広く認知されている今、ほかでもない戦前日本において対米戦争へと突き進んでいったものこそポピュリズムなのに、それをポピュリズムの問題としてまったくと言っていいほど取り扱われていない。著者は、そのことに違和感を持っていた

続きを読む

「マルタ・アルゲリッチ 子供と魔法」を読んで、すっかり芽生えてしまったのがピアノ・デュオへの愛。正直言って、これまではこの分野を軽く見ていたし、いつの頃からかアルゲリッチの新譜は、相手をとっかえひっかえしての連弾ものばかりであまり興味が持て

続きを読む

5ヶ月ぶりのコンサート。1時間だけのコンサートでしたが、久しぶりの生の音に接して至福の時を過ごしました。しかも、元N響コンサートマスターお二人を始め、日本のヴィオリン界の重鎮から旬の若手までがそろい踏み、それぞれの音色や持ち味の違いも鮮やか

続きを読む

少なからずがっかりさせられた。松岡は、国際連盟脱退で大衆の人気を得たポピュリスト政治家で、日独伊三国同盟を結んだ外相として日米開戦へと導いた政治家として悪名高いが、実は、交渉手腕に長けた現実主義者で対米戦を回避することに尽力したという実像を

続きを読む

アルゲリッチのファンやコアなピアノ・マニアだけでなく、広くクラシックファンにお薦めしたい。とにかく面白い。著者は、フランスのジャーナリスト。ラジオ、テレビの音楽番組を担当し、取材手腕には定評があり、また、その天衣無縫な語り口で人気を博す。難

続きを読む