滞在終盤のミラノ散策は、邸宅博物館めぐり。
貴族が実際に住んでいた豪邸を一般公開したもので、街の中心地の石造りの古いアパートとあまり違いがわからない外観からは想像もつかないような豪華なマンション。こうした貴族の邸宅はフィレンツェなどにもありますが、ミラノはずっと時代が下って近代のもの。20世紀末まで一族が実際に住んでいた邸宅がほとんど。イタリアの貴族というものの桁違いの富豪ぶりに驚いてしまいます。英国貴族のカントリーハウスに較べると、その内装や蒐集趣味は圧倒的に洗練されていて都会的で密度が高い。
バガッティ・ヴァルセッキ美術館 (Museo Bagatti Valsecchi) 。

19世紀後半にバガッティ・ヴァルセッキ家の2兄弟が、14世紀のロンバルディア様式で建てた館。内装はルネッサンス様式の調度品や芸術品などで飾られているのは、イタリア統一直後のイタリアでは、近世における祖国の偉業であるルネッサンスの再復興の文化的熱狂に沸いていたからだとか。

邸内をめぐって世界中から集めた美術や調度、武具などを見ると20世紀まで生き延びていたイタリア貴族の財の厚みに驚嘆させられます。
ポルディ・ペッツォーリ美術館は、そうした邸宅美術館の老舗。

ジャン・ジャコモ・ポルディ・ペッツォーリが亡くなった1879年に、その個人収集品とともにミラノ市に寄贈されたもので、広い館の室内にはペルシャじゅうたんやまるで京都の祇園祭の山車のようなフランドルのタペストリー、機械時計などが展示されていますが、なかでも目を引くのはポッライウォーの「若い貴婦人の肖像」を初めとするイタリア絵画。

昼食も兼ねて、イタリア食材のデパートとして最近のミラノっ子のスポット、イータリー(EATALY)に行ってみました。

トリノ発祥のお店は最近は東京日本橋にも出店しているとのことですが、4層からなるミラノ店は、魚貝類から各種肉類、パスタ、ワインまでがそろう広大な食品デパート。

店内にはカフェテリアレストランがいくつもあって、ここで食べたパスタが今回の旅行でのナンバーワンのパスタでした。

スカラ座通いも4度目ともなると、そこそこ周辺事情にも慣れてきます。

コンサートでちょっと悩ましいのは食事ですが、スカラ座の建物の一角にレストランの立ち食いコーナーがあるのを発見。そこでワンカップのリゾットというお手軽メニューがあります。鮮やかなサフラン色に染まったリゾットの香りにロンバルディアの地ワインをいただくと、がぜん華やかなコンサート・モードになります。

さて…
スカラ座最後の夜は、マウリツィオ・ポリーニのソロ・リサイタル。

(続く)
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