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2016年03月03日23:21

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帰ってきたhijiyanさん

hijiyanさんをお迎えするのは1年半ぶりのこと。

hijiyanさんは、ホンモノの響きを求めてウィーンに弾丸ツアーをくり返し、それがきっかけでミュージカルにはまってしまい、肝心のオーディオのほうの熱がそちらへ移ってしまっていたそうです。最近、ミュージカル熱は落ち着いてきて、再びオーディオ探求の熱が戻ってきたとか。

その間にわが家のシステムセットアップは激変しています。ラダーケーブルの導入、アイソレーショントランスなど電源周り、サイドプレススタンドのベースにウェルフロートボードを導入したことなど、システム周辺は大きく変わりました。

バッテリー駆動の金田式アンプ、T−4スピーカーなどの機器類は変更ありませんが、そのことでかえってこうしたアクセサリー類の効果が浮き彫りになるのではないかという期待でhijiyanさんの辛口コメントを戦々恐々としながらお迎えしました。

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結果的には、「ナチュラルでバランスの良いサウンド」というお誉めのコメントをいただきほっとしました。「どんなソフトを聴いても違和感はなく、音楽に浸り楽しむための音に仕上がった」とも。ありがたいことです。

とはいえ、お互いに理屈っぽいほうですから、いろいろな議論や実験も楽しみました。その詳細は省きましたが、いくつか今後の発想のヒントも得ましたので個人的な感想めいたものを書いてみます。


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(1)ウェルフロートボードをめぐって

� 堋消屬�》か《サイドプレススタンド置き》か
これは私もムキになって反論。hijiyanさんはサイドプレス置きではモーメントが働くのでWFの性能がフルに発揮しにくいはずだというのです。おそらく直感的に《直置き》を勧めるひとはそういう発想なのだと思います。しかしWFの横方向はほぼ慣性力ゼロなので問題にならないはずです。これが問題ならばトールボーイ型だってダメということになります。

�◆堋消屬�》か《スパイク直刺し》か
これも�,�ら派生した議論ですが、スピーカーキャビネットとWF天板をどう接触させるかの問題なのでしょう。私も実は以前は《直置き》論者でした。間にインシュなどをはさむのは屋上屋に思えたからです。しかし、実際にサイドプレススタンドを置き好結果を得て考えが変わりました。WFはいわば大きなスパイク受けのようなものだと発想を転換しました。しかも最も色づけのない(音色変化の少ない)スパイク受けなのです。ですからこの論議は、スパイクそのものの是非のほうに帰すると思えてきました。
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��CDPやアンプにも効果があるか
ひとによってはアナログプレーヤーのような回転系はかえって音を悪くするとまで言うひとまでいるようです。その理屈はよくわかりません。アナログのような大質量低速回転であれ、CDあるいはHDDのような小質量高速回転であれ、様々な精度・不均一により振動が生じます。ですからWFは一定の効果があることは間違いないでしょう。ただし、私はアンプやCDPについてはWFの導入を保留しています。その理由は後述します。


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(2)縦リジッド/横プリン

WFは吊り構造をバネで受けるようになっています。横方向はほぼフリーで均等なので、振動の多くを横方向の分力として吊り構造で受け流すというような原理になっています。一方、縦方向は金属の板バネで受けています。WFの振動減衰の詳細は不明ですが、この縦バネは主に吊り部の減衰として働いるのだと思います。

一般論として、縦方向は防振が困難です。金属バネや空気バネは優れた防振機能を有しますが減衰が難しい。磁石フロートは縦方向のバネとして優れていますが、反発力そのものが非線形でありヒステリシスの問題も抱えています。しかも、縦方向(垂直方向)は重力(G)が働きこのバイアスが無視できません。防振ゴム系はそのものが内部減衰を持っていてしかも3次元方向に働きますが、共振点を下げることが難しいのです。当然、温度変化や経年変化にも弱い。

従って、縦方向はリジッドにして、メカニカルアースで振動を逃がしてしまうようにするのがよいのです。その場合、横方向成分の振動は出来るだけ吸収してしまうのがよい。横成分で振動エネルギーの多くを吸収しているので、反射対策などの負担が軽くなります。これがすなわち「縦リジッド/横プリン」メソッドの原理です。



(3)アルファゲル

防振ゴムと同じ粘弾性防振材料の一種ですが、ゴムに較べて柔らかく十分なたわみ性を持っているのでゴムに較べて極めて広い周波数帯域と高感度の振動吸収性能を持っています。3次元方向に防振性能を持つ優位性もそのままです。しかも優れた温度特性と耐久性を有するので極めて優秀な防振材料と言えます。

最大の難点は、耐荷重が小さいことです。従って、あくまでも微振動・軽荷重の対策となります。バッテリー駆動式など電源部別筐体のアンプやDAC、PC本体や外付HDDには最適です。私は、CDPぐらいまでは何とかこれで防振対策を追究していくつもりです。


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(4)“オーディオ的”と“音楽的”

オーディオ評価でよく対比的に使われる言葉ですが、意味があいまいでひとによって使い方が様々なようです。ふたりの会話では何となく「人を驚かすようなサウンド=“オーディオ的”」で、“音楽的”はその反対ということになりました。

WF導入で、低域バランスはむしろ豊かで明晰になりましたが、地を這って押し寄せてくるような迫力とか、ずしんと体感するような強烈さは薄れました。実際にコンサートで聴くのはこういうサウンドです。そういう点で“音楽的”になったと自負しています。

ただ後で考えてみると、人によってはアクの強い音を“音楽的”、その反対にフラットで低歪みの大人しい音を“オーディオ的”という人もいるようです。

不用意に使うと誤解を生みやすい言葉だと思いました。


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(5)“ナマ音”か“オーディオの快楽”か

五嶋みどりの「愛の挨拶」(BSCD2)をかけていたら、「これだけ聴けるのなら、わざわざコンサートを聴きに行く必要ないですね」とのお言葉。コンサートゴーアーとしてはちょっと複雑な心境ですが、これ以上ないほどのお誉めの言葉として有り難く頂戴することにしました。

実は、最近、本場ヨーロッパ遠征を重ねているうちに、その反動で国内ではコンサートに行く回数がどっと減ってきてしまっているのです。本場の本拠地で聴くオーケストラやオペラを聴いてみると、日本でのコンサートはあまりにもムラがあり過ぎます。日本のオーケストラの実力は格段に上がっているとはいえ世界トップに較べればまだまだ。外来オケも、過重なスケジュールや慣れないホールでは実力通りの演奏とは限らないし、なかには出稼ぎ、物見遊山半分のものさえ無いわけではありません。

何よりも環境の問題があります。いつも最良の席とは限らないし、周囲の無神経な咳き込み、プログラムやアメ玉の皮むきなどの騒音が気にさわることこの上ない。自分自身も、2時間も堅い椅子にこちこちに固まっているのはけっこう苦痛です。それぐらいならわが家でくつろぎながら、世界最高の演奏を眼前にできるオーディオのほうがずっと満足できます。

今後は、ナマならではというものに限って聴きに行くことになるでしょう。オーディオではなかなか体験できないような演奏家とか、巨大な編成の大曲とか、その逆に、小さなホールなどで間近に聴く音とか。感動そのものを求めてということはもちろんですが、むしろ半分ぐらいはオーディオ目的です。自分の音体験を広げて耳を鍛え、オーディオ道にフィードバックできたらそれでよいのではないかという気になってきました。
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