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2024年11月09日11:49

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ドイツ正統の美音 (ロータス・クァルテット)

1日おいて、たて続けにサルビアホール。

聴いたのはロータス・クァルテット。

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こんなに日を置かずしての公演というのには訳がある。先日のターリヒQとロータスQは、この週末に上野の東京文化会館でメンデルスゾーン・プロジェクトと銘打って八重奏曲を共演する。

もともとは日本人女性4人で結成された日本発祥のクァルテット。それが今はシュトゥットガルトを拠点に活躍する国際的なクァルテット。すでに30年の実績を積んでいる常設クァルテット。

モーツァルト、ベートーヴェン、そしてシューマンというドイツ正統のプログラム。演奏も、何の奇をてらうところのない、王道のど真ん中をゆく。しかも、実に密度の高いアンサンブルで、このクァルテットの理想郷ともいうべきサルビアホールのアコースティックのなかでの濃密な響き。クァルテット好きにはたまらないひととき。

「不協和音」は、まるで透視図のように緻密な構成で、そして美音。冒頭の導入も整然としている。不安というよりも人間の不調和や無意識的な分断。それが次第に古典の調和、人の協調へと解決していく。最後はモーツァルトらしい嬉遊の世界。

ベートーヴェンは、意外なほどに優雅。ちょっとかしこまった一礼から始まって各パーツの応答が面白い。そういう若い作曲技巧をとても雅びに感じさせるのも、アンサンブルの呼吸と音色の揺るぎない統一感があるから。そこから若々しいゴツゴツとした挑戦が始まるけれど、古典的な構成は揺るがない。最後はいかにもベートーヴェンらしい音型が繰り返されるロンド。

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白眉は、後半のシューマン。

これは、大変な名演だったと思う。

シューマンは、このクァルテットの十八番なのかもしれない。

シューマンの小難しい輻輳するリズムは影を潜めるけれど、切ないまでに思いつめて突き進む憧憬のような情感が貫いている。そういう熱を帯びた推進力が独特のグルーヴ感覚を生み集中力が素晴らしく、そして美しい。第2楽章の変奏曲は、これまでは漫然と聞き流していたのだろうか、まるで初めての出会いのように新鮮で感動した。

破調のようなものは一切無い。ほんとうに正統な中欧ドイツのクァルテット。日本のクァルテットという気がしない。ほんものの本場のクァルテット。そこにどこか東洋陶器美術の美意識のようなもので磨かれたクァルテット。

アンコールのメンデルスゾーンも小粋で素敵。週末の上野では全曲を演奏することになっているようだ。




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Salvia-hall Quartet Series #184
ロータス・クァルテット
2024年11月7日(木)19:00
横浜市鶴見区民文化センター サルビアホール
(C−6)

モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番ハ長調 K.465「不協和音」
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番ト長調 作品18−2

シューマン:弦楽四重奏曲第3番イ長調 作品41−3

(アンコール)
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第2番ホ短調より第3楽章インテルメッツォ


ロータス・クァルテット
ヴァイオリン:小林幸子 スヴァンチェ・タウシャー
ヴィオラ:山碕智子
チェロ:斉藤千尋
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