ヴィンテージ機器を、入念にリファインされたセッティングとラインアップで現代的なサウンドで鳴らしておられる。その朗々たる鳴りっぷりは見事としか言いようがありません。
中でも目を引くのが、50年代の名器パトリシアン。
聴かせていただいのが、ジョージ・セル/クリーヴランド管の名録音・名演奏であるコダーイ「ハーリ・ヤーノシュ」。
このディスクのことについては、以前に日記で取り上げたことがあります。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986642258&owner_id=26897873
つまりは、いわくつきの"SX68MARKII"盤というわけです。それで、このパトリシアンを見てふつふつと血が騒ぎ、勇んで取り出してかけていただいたというわけです。聴いてみると、以前に書いたとおりで、目も醒めんばかりの、広帯域、広ダイナミックレンジ。さすがにアナログの充実期の録音だと感嘆するばかりです。
高域も録音の通りで強奏でも容赦なく、かつ、艶やか。ドイツグラモフォンなどは、高域をロールオフして聴きやすくしてしまい、それがクラシック音楽のサウンドイメージとして後進国日本に定着してしまう。日本のオーディオはそれに輪をかけて高域を丸めてしまうから、クラシック音楽はますます青白い萎えたスノッビズムに堕ちてしまう。
それを吹き飛ばすような、アメリカのオーケストラ。1800席の大ホールで強力な金管楽器軍団と渡り合える筋肉質の弦パートの真骨頂。ffのユニゾンでメロディを奏でるところの純音の美しさは、当時の日本のオーケストラには及びもつかない。それをこれまたアメリカ・スピーカーメーカー最大手のEVのフラッグシップ機が堂々と押し出してきます。
冒頭の「大くしゃみ」の後の、ティンパニとピアノ低音のトレモロに低弦が加わるppの部分などローエンドにも凄味があります。これににたじろいだのか、tranesheppさんがあわててSOULENOTEのローカットのスイッチをON。まさかとは思うけど希少なユニットを壊されてはたまらん…と苦笑されています。
世界でもてはやされる日本メーカーの戦陣をきったソニーは、さらにソフトウェア分野への進出に挑み、プライドの高いエンジニア達は意気盛んだったのではないでしょうか。そういう、よい意味で尖っていたサウンドが、その後、次第に丸くなっていき、すっかりおとなしくなってしまったのは残念です。
だから"SX68"といったロゴとそのサウンドこそが、この時代の心意気そのものなのです。 鳴らすもので鳴らせば、がぜん本領を発揮する。
それこそ「これを貶すやからは舌をかんで、死ね」です(笑)。
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