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2017年11月24日10:06

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マジカル・ミステリー・ツアー (岡山・香川歴訪 その4−2Hくん邸)

瀬戸大橋を渡りきると、坂出の番の州工業地帯が見えてきます。この工場群はちょっと異形で、化学会社のコークス炉群とそこから吐き出される真っ白な蒸気煙や、造船所で建造中のLPGタンカーの球体タンクが並んだ大きな船体など、なかなか他所では見られない風景が高速道路からよく見えます。

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そこを通り過ぎると、風景は一変。古い街並みと住宅地と田畑が混然となった穏やかな平野地に入るとそこは丸亀市。平地にぽこりぽこりと山があるのは対岸の水島地区と対称を成しています。

さっそくご当地の讃岐うどんをいただきました。

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なかなかの人気店で行列にならんで、天ぷらなどのトッピングをカフェテリア方式で取り上げてからうどんの注文をします。つい欲張りすぎてたくさん食べてしまいました。

さていよいよ2Hくんのお宅に到着です。

オーディオルームは2階にあって少なくとも12畳の広いリビングルームを独り占め。続きのデン(書斎)のような4畳の一間もひと続きになっているので16畳以上の広々としたスペースです。2Hくんは仕事柄転勤が多いそうで、次の転勤に備えて家具は控えておられるようで、だからこそ思い切り大きなスペースにやりたい放題のセッティングという幸せを満喫されているご様子(笑)。

部屋に入って先ず目を引くのは何と言ってもマジコのスピーカー。

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この飛び切りのハイエンドスピーカーを間近に拝するのは初めてです。このスピーカーを部屋の3分の2ほどに設置。リスポジは続きのデンとの仕切りぎりぎりのところまで下げてますが、それでもスピーカーまではほんの一間ぐらいでしょうか、広い部屋にしてはかなり近いです。これを完全に平行法配置にされています。

機器類で、スピーカー間やや手前にあるエソテリックK01が最も手前にあって、プリやパワーアンプ、電源類はすべてスピーカー後方のリスポジからはるか彼方にあります。しかも全てフロア直置きでラック類はありません。K01にはボリュームがあるのでプリのゲインは固定式、音量も含めてコントロールはすべてK01のリモコンで行います。私などは広いリビングを鉄道模型で占有するというのが子供の頃の夢でしたが、ちょっとその夢の中の風景に似ていてデジャブ感いっぱいです。

こういう配置の当然の帰結として、奥行きの深い音場型の音響空間です。スピーカーより前に音が出ることはなく、音場はすべてスピーカーバッフル面より後方に展開します。その奥行きが視覚も手伝って途方もなく深く遠いのです。

圧巻なのは、やはり、このソフト。

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ジャケ写真そのものから連想されるとおり、教会というよりは床面には水がたまってピチャピチャしている空き倉庫か工場跡のような空疎な空間に立体音像が浮かび上がりちょっと背筋がひんやりするほど。無指向性マイク2本だけのワンポイント録音だけが到達できるワープ感満点の異空間です。まさにマジコによるマジカル・ミステリー・ツアー。

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60年代初期のものを含めてアナログ時代のジャズ録音などもかけていただきました。こういう録音は、ともすれば左右中央に音像が集まるいわゆる「三点ステレオ」になってしまいます。あるいはマルチマイクなどでは、近接マイクでクローズアップされた音像は、みんな左右スピーカーのユニットに貼り付いてしまいます。これもまた広い部屋のリスポジ近くにぽんと立てた平行法配置の特徴です。

フロア置き平行法とでも名付けたらよいのでしょうか、このセッティングはどうしてもソフトを選んでしまいます。奥行きのある立体感…といっても、音像定位の前後位置関係はソフト次第で録音に相当に左右されてしまい、ソフトによっては現実とのギャップを感じて時に不自然に感じてしまいます。

その典型がこのソフト。

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何でも爆音愛好家の間でもてはやされたソフトだそうで、フラメンコで頻出するフロアをかかとで叩く「足打ち」の迫力再生を競うのだとか。確かにバンバン、ドンドンと右や左へと移動するなどなかなか楽しいのですが、肝心のフラメンコギターやカンテの強い歌声が足音のはるか彼方でか細く聞こえ、カスタネットも豆粒のように小さいのはどうにも不自然です。こんなはずはないと首をひねってしまいました。

リスポジもけっこう厳しくて、デンとの仕切り部の隘路に四人用の椅子が並べられたせいもあり、左右前後の席でずいぶんと音場や音像定位が変わります。壁などのルームアコースティックの影響がこれほどあるのかというところも床置き平行法のセッティングの難しさかもしれません。とても清潔感あふれるサウンドですが、少々、音像が弱く薄めで半透明の色彩になるのは、もう少しスピーカー間隔を狭めると修正できるような気がします。

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古楽器によるバロック音楽や、アコースティック感満載のアイルランドかスカンジナビアかどこかの民俗音楽などはとてもきれいで癒やされます。お仕事から受けられるストレスは、はた目からは想像もつきませんが、そのストレスを解放し気持ちを癒やすどこでもドアならぬ、心のマジカル・ツアーへと抜け出す異空間というところでしょうか。ストレスを発散させるのではなく、ふーっと息を深く吐き出しながらストレスをリリースさせるようなサウンドです。

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短い時間であわただしかったかもしれませんが、とてもユニークな心地よい異空間を満喫させていただきました。2Hくん、ありがとうございました。

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帰りは再び瀬戸大橋を渡って岡山へ。連休最後の夕方の市街地はラッシュで渋滞し、予定の列車の次の列車に乗りましたが、何とも気分のよい揺れのなかで気持ちよくうたた寝をしていました。

お世話になった皆さま、楽しいオーディオ交流をありがとうございました。
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