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2016年10月24日02:04

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グレンモーレンジ蒸留所 (スコットランド旅行記 その15)

インヴァネスの街から再び北へと向かった私たちの目的地は、ハイランド・スコッチの代表的なシングルモルトであるグレンモーレンジ蒸留所。

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とても美しい蒸留所。きれいに整備された構内は、海の見える緩やかな傾斜地にまるで古い街並みのようなクラシックな建物が並んでいます。この蒸留所の現在のオーナーは、フランスのLVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン)社。それだけに外観も含めてお洒落な蒸留所を目指しているのでしょうか。その味わいは、洒脱で飲みやすく饒舌なところがあります。

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建物の塔は、もともとは麦芽を作り乾燥させたモルティング棟で蒸留所全体のシンボルとなっています。どの蒸留所でも多くは麦芽は内製しておらず、麦芽に必要だった広いフロアは大概はこういした見学ツアーの案内所やショップとして活用されています。原料となるモルト(大麦麦芽)やイーストは、主にスコットランド内にあるいくつかのモルティング工場から委託購入されています。その原料ソースは日本のウィスキーも同じです。

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スコッチの仕込み水は、日本酒と同じで軟水が常識。ところがこの蒸留所はその数少ない例外のひとつで硬水を使用しているのが特徴です。ミネラルが豊富だとそれを栄養とする酵母の活動が活発になります。

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設備はとても近代的でマッシュタンなどはすべてステンレス製。稼働中なので見学できなかったポットスティルもピカピカ。出入り口から建屋内をのぞいて見るとネックの高い大型のスティルが6対並んでいます。設備は更新を重ねながらこういう伝統は受け継いで製法と品質はしっかりと守られる。こういうスティルの形状は、硬水ということと合わせてライトで芳しいスピリッツを産み出すのです。

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この蒸留所のもうひとつのこだわりは、樽。

スコッチの熟成に欠かせないのがオーク樽。材料となるホワイトオークを産しないため海外に依存せざるを得ないスコッチの熟成樽は歴史とともに変遷があって、かつてはイギリス人が愛飲したシェリーが詰められていた空き樽が使用されました。しかし、消費量の減少とポルトガルが国内での瓶詰めを義務づけたために供給が激減、代わってアメリカのバーボン樽が使用されるようになり二十世紀にはこれが主流となります。

オールド・プルトニーでも、12年ものはバーボン樽のみ、17年ものは最後はシェリー樽に詰め替えて最後の2年ほど熟成させます。これをフィニッシングと言いますが、グレンモーレンジは、このフィニッシングにポートやマディラなど様々な樽を使用するという工夫を凝らす先駆者になります。今は、ポート、シェリーに加えフランスのソーテルヌの樽を使った三種類のフィニッシュを揃えて、それぞれの香りと味わいが微妙に違っていてとても楽しい。初めて口にしたソーテルヌ・フィニッシュは、確かに豊かな甘みを含んだ濃厚な香りで、その呑み口は高貴な気分にさせてくれます。

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バーボン樽が使用されるのは、バーボンの製造規制で新樽の使用が義務づけられていたために大量の使用済みの樽が供給されてきたためです。ところがごく最近になって法改正があって2回以上の使用が可能となり急にバーボン樽の供給不足が懸念されるようになってしまったそうです。

ちなみに、日本のサントリーは東京大学と協働して北海道・富良野の東大演習林に多く自生するミズナラがウィスキーの熟成樽に適していることを明らかにし、その使用を進めています。独特の香木のような香りが東洋的だとの連想を生み、スコットランドでもそのまま「ミズナラ」あるいは「ジャパニーズ・オーク」と呼ばれて評判になりつつあるようです。

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さて、この美しくお洒落な蒸留所を後にして私たちが次に向かったのは…

(続く)

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