ここしばらくミュージカルの世界に身体ごと飛び込んでいたhijiyanさんが再びオーディオ探求の熱が戻ってきたということで1年半ぶりの相互訪問オフ会が始まりました。
前週の拙宅来訪に続いて、こんどは久々のhijiyan邸再訪となりました。
hijiyanさんのオーディオ探求が再びホットになったきっかけは、リジッドとソフトのふた通りのインシュレーターの使いこなしです。私とのタテヨコ論争はさておき、わずか1週間のあいだに試行と実験を重ねて、ひと工夫してしまったのはさすがにhijiyanさん。
それは、アンプとCDプレーヤーの足元を見直すというもの。脚をすべて取り外し、ハード系のインシュレーターのあいだにソフト系の粘弾性のゲルを挟み込んでいるもので支えています。ゲルは入手が容易な耐震ゲルですが、特に柔らかいものを選択したとのことで、私のシリコン系ゲルのアルファゲル(αGEL)と感触がとても近い。筐体を揺らしてみると見事な横プリンです。
さっそくいろいろ聴かせていただきました。
定点観測ですので、いつものソフトを中心に聴かせていただきました。やはりhijiyanサウンドは健在です。分解能が高く音離れの良さと壁一面が音の空間に早変わり、スケールが大きくノリのよい低域が心地よい。しかも、低域は以前よりぐっとリーンになった感じがします。
特に印象的だったのは「ケルティックウーマン」。
正直言って、個人的にはこのサウンドは好きではなかったのですが、今回はとても魅力的に聴けました。音場や音像が作った感じは変わらないのですが、音のひとつひとつがクリアで粒立ちがよく、音場のなかで動き回る様がとても面白く感じるのです。演奏者や制作者の意図が素直にぐっと胸に作用してきます。
素晴らしかったのが「マタイ受難曲」。
hijiyanさんは、来週、ミューザ川崎でゲヴァントハウス管弦楽団/聖トーマス教会合唱団の「マタイ受難曲」に行くそうです。それで前週の拙宅でもクィケン/ラ・プティット・バンド盤をかけてくれました。小編成で、合唱の各パートまでも1名ずつという徹底ぶりで、鮮明な個々の美しさが際立つ演奏。それに対して、私が今回持参したのは、同じようにオリジナル楽器ですがずっとシンフォニックなヘレヴェッヘ/コレギウム・ヴォカーレ・ヘント盤。これが持ち込んだ私自身がびっくりするほどの素晴らしさ。参考として互いに持ち寄ったゲヴァントハウス管のマウエルスベルガー盤とシュライヤー盤も聴いてみましたが、ヘレヴェッヘ盤の臨場感と魂を揺さぶるように包み込む荘重な響きには足元にも及びません。しばし、二人で絶句してしまいました。
最後にはさらなる驚きが待っていました。
hijiyanさんのひと工夫のネタばらしの実験です。アンプとCDPの新しいセッティングは単なる横プリンではなかったのです。小さな木片を背後のパネルにふたつ噛み込ませて後面パネルをリジッドに支えています。それでも全体としてはゆらゆらと揺れるのが不思議ですが、いずれにせよ後面パネルはリジッドにベースの人工大理石に接地されているという仕掛けになっているようです。
この木片のウェッジを外してみます。
これで定盤のパッヘルベル「カノン」を聴いて腰を抜かしてしまいました。
それまでは金髪を梳いたようなくっきりとした線とパートの立体的な音像、心地よい空間の響きを両立させて鳴っていたのに、ふっと音がくもり、何と出だしの第一ヴァイオリンがぐっと中央に寄ってしまいました。これはスピーカーの焦点が合わなくなった時と全く同じ現象です。あの木片を外しただけでこれだけ変わるとは…!これにはほんとうに言葉が出ません。木片を元に戻すと、元通りの理想的な再生音場が再来します。
これにはとても考えさせられました。自分なりに理論構築して応用してみたいと思いますが、特にCDPをウェルフロートボードなどでソフトに支えることの是非についてふつふつと疑念が沸いてきてしまっています。
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