私のシステムは、T4という小型スピーカーとサイドプレススタンド。
さらに、昨年11月に、その足元にウェルフロートボードを導入しました。サイドプレススタンドをボード天板上にスパイク直刺しというセッティングです。いずれも異端ばかりで異形の様相。
この好結果に驚喜。導入後、2ヶ月ほど経ってセッティングも煮詰まりエージングが進んで落ち着いたところで、何人かの方にお披露目ということで聴いていただきました。皆さんからご好評を得て得意満面。
ところが…
GRFさんとUNICORNさん、ご重鎮のお二人をお招きして聴いていただいたところ「音が湿っぽい」との辛口コメント。
実は、ここは私も気になっているところでした。
かつて、カラヤンがストラヴィンスキーの「春の祭典」を初録音した時のこと、作曲者から『飼い慣らされた野蛮さ』と酷評されたことがありました。ドイツ音楽伝統のある種の重い響きと、スラーを多用する『過剰なまでのソステヌート』がストラヴィンスキーのキレのあるアーティキュレーションとリズム感覚に沿わなかったのだと言われています。ストラヴィンスキーは『ドイツの管弦楽は、ちょうど日本人がLを発音できないように、こういうことができない』と切り捨てています。カラヤンはその後10年間「春の祭典」の演奏を封印してしまいました。
私のサウンドもちょうどこれに似たようなところがあるのです。事実、この重鎮お二人にワーグナーの「『トリスタンとイゾルデ』第二幕への前奏曲」をお聴かせすると、すっかり顔色が変わり「いい音楽が鳴っていた」と評価が一変しました。
正直言って、私はお二人のベテランはむしろそういう「湿り気(?)」のある暗めの音のほうがお好きなのだとばかり思っていました。ところがその期待はあっさり裏切られたのです。ここまでよく鳴っているのにという気持ちとともにこの点で半信半疑でいたところもあったので、このことで気持ちの整理がつきました。

サイドプレススタンドは、スピーカー自重をスパイクの一点で受けるようになっていて、ここがとてもデリケート。この部分にちょっとした細工をしていたのですが、今回、スパイクと受け皿の一体構造型インシュレーターを導入し、以前のシンプルな形に戻しました。
これで以前のサウンドが戻ってきました。ウェルフロートボードによって得られた音の柔らかさはそのままに、カラっとしたクリスプなサウンドの方向へと回帰。高域の弦にもシルキーな艶と輝きが出て来て、明るい高域寄りの帯域バランスへと戻ってきました。気になっていたピアノの中低域の甘さも解消して、かっちりと引き締まったピアノの打音と共鳴の拡がりが回復し、ピアノの脚やキャスターといった足元の感触が戻ってきました。
その分、女性ボーカルなどにハスキーさが微妙に増えますが、ここはバランスの問題だと思っています。もう少し聴き込んで、その具合によっては「湿り気?」(笑)を微妙に復活させることもあるかもしれません。そのセッティングも秘かにいくつか構想しています。
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