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2016年01月25日22:54

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ベルリン・フィルハーモニーのオルガンコンサート(ドイツ音楽三昧 その7)

前日の興奮がまだ醒めやらぬ翌日の午前中、再び、フィルハーモニー大ホールを訪ねます。

これで3度目の訪問になります。これだけくり返し違った角度から聴けば、そのホール音響の理解もずいぶんと進みます。最後は、オルガンコンサートで、ホールの大きな様相のひとつであるパイプオルガンも聴けたということはとてもラッキーでした。

ここのオルガンは、設計当初、設置を予定していなかったので、正面ではなく、ステージに向かって斜め右手のかなり上方に設置してあります。「使いにくい」とカラヤンは終生不満を漏らしていたとのことです。確かに、斜めというのは使いにくかったでしょうが、実際に聴いてみるとその音響はなかなかのものでした。

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席は1階席の左ブロック斜面で、オルガンとは正対するという絶好の位置。

コンサートホールのオルガンはいくつか聴いてきましたが、先日、聴いたような聖トーマス教会のオルガンとは響き方がかなり違います。パイプオルガンというと、一般的には「天上から降り注ぐ」というようなイメージがありますが、それは大聖堂など教会オルガンの響きに特有のものだと言ってよいでしょう。

オルガンの音は、面白いことにそのホールの響きの特徴を実に端的に示してくれるような気がします。

例えば、新潟りゅうとぴあのオルガンは、パイプとほぼ同じ高さの3階バルコニーで聴くのがベストで、ホールを渦のように巻いていく響きがとても印象的でした。ミューザ川崎のオルガンは1階正面で聴きましたが、ペダルの低域がナイヤガラの大瀑布のようにホールフロアへと流れ落ちこちらへと押し寄せ、中高音域は左右に拡がり客席を包み込むように響き、輝かしい高音は頭上に向かって飛び出していきホールを満たすという感覚が素晴らしい。オペラシティ・タケミツメモリアルは、教会の響きに近くて身体を震わすような響きと頭上から降るような残響を感じますが、オルガンから離れてしまうととたんに量感や音色が弱くなります。サントリーホールはソフトで心地よいハーモニー感がありますが立体感が乏しく平板で音が薄く弱い。

意外に音がよいのは、NHKホールのオルガン。バルトーク「青ひげ公の城」では、ちょうど真下の席だったこともあって壮大な響きに熱い高揚感を覚えました。実は、ベルリン・フィルハーモニーと同じカール・シュッケ社製のオルガンなのです。73年製作でベルリンよりひとまわり大きく当時日本最大規模のオルガンでした。放送局の多目的ホールということでほぼ真横という設置位置の不幸も共通です。

コンサートでは、演奏台はステージ上に据えられていました。客席からは演奏者は後ろ向きになりますが、むしろ鍵盤がよく見えて、指遣いやペダルを踏む足、ストップ操作などが見えるようになっています。補助者はおらず、プリセットされたストップキーを瞬時に切り替え、そのたびに演奏台の小さなディスプレイの数字が変わる様子がよくわかりました。

1曲目は、バッハの「前奏曲とフーガ 変ホ長調」。「クラヴィール練習曲集第3集」の劈頭と掉尾を飾る「前奏曲」と「フーガ」フランス風序曲の華麗な開始に続く流麗華麗な長大なプレリュードと、聖なる十字を切るかのような上下に交差する音型が絡まっていく堂々たるフーガ。最初からその素晴らしいオルガンにやられました。

音源となるパイプそのままに音があちこちへちらばめられるように明滅する分離のよい中高域、より高い音域は上へ上へと昇っていき、ペダル音は見た目のパイプの位置よりも低い位置で堂々と鳴り響きます。音の「流れ」や「渦」はないのですが、オルガンのある壁面がまんべんなく鳴る感覚であり、そこからホールの広い空間へと響きが拡がっていく感覚です。分離のよさと糸を引くように音の粒子が拡散していく感覚は、まさにこのフィルハーモニーザールの「響きの形」だと思うのです。

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この日は、ベルリン・フィルのオーボエ奏者クリストフ・ハルトマンが共演。

バッハやフランクなどのオルガン独奏曲以外に、クレーブス、ラインベルガーらのオーボエとのデュエットや、バッハのトリオ・ソナタの編曲版などを聴かせてくれました。ハルトマンのオーボエは、ほんとうに豊かで暖かな艶っぽい音。至福の時でした。

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オルガン奏者のウォルフガング・ルブサムは生粋のドイツ人ですが、マリー・クレール・アランに師事しアメリカのダラスの大学で学んで後、シカゴのノースウェスタン大やシカゴ大のチャペルのオルガン奏者を長く務めるなど国際性の豊かなオルガニスト。バッハなどの演奏であっても、やはり、明晰な対位線と華麗で技巧的なストップ操作など現代的な気質は明らかで、いかにもこのベルリン・フィルハーモニーにふさわしい流麗でスケールの大きな演奏で魅了します。

最後のバッハ「パッサカリア ハ短調」では、大変なフットワークで、その壮大な重低音によるフーガでは両足を足鍵盤上で大きくひろげての壮大な超低域和音を聴かせてくれて、大興奮でした。




ベルリン・フィルハーモニー オルガンコンサート
2015年12月20日 11:00
ベルリン・フィルハーモニー大ホール

ウォルフガング・レーブサム(オルガン)
クリストフ・ハルトマン(オーボエ)





Wolfgang Rubsam Organ
Christoph Hartmann Oboe

Johann Sebastian Bach
Prelude and Fugue in E flat major BWV 552

Johann Ludwig Krebs
Fantasy in F minor for organ and oboe

Johann Sebastian Bach
Choral Prelude Wachet auf, ruft uns die Stimme BWV 645

Josef Rheinberger
Andante pastorale in F major for organ and oboe after the 2ns Movement of the Organ Sonata op. 98

Cesar Franck
Pastorale op. 19

Josef Rheinberger
in D flat major for organ and oboe after the 2nd Movement of the Organ Sonata op. 127

Johann Sebastian Bach
Choral Prelude In dulci jubilo BWV 608

Johann Sebastian Bach
Andante from the Trio Sonata in E minor BWV 528 (arr. for organ and oboe by Wolfgang Rubsam)

Johann Sebastian Bach
Passacaglia in C minor BWV 582
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