私たちのスコットランド旅行もついに最後の夜となりました。
2+1の蒸留所をハシゴして、再び、インヴァネスの街に戻ってきました。明日は、インヴァネス空港からヒースローを経由して日本へ帰ります。残り少ない時間をインヴァネスの街の散策とギフトショップ巡りに費やしました。
インヴァネスは、ハイランド地方の首都とも呼ばれ、ローランド地方のエディンバラと同じような古都としての歴史の重みを湛えた美しい街です。ネス川の河口、深く切り込んだ湾の奥まったところにあって海洋性の気候は穏やかで、グレート・グレン断層によって形成された南西へ伸びる直線状の地形の起点ともなる要衝の地でもあったわけです。
北海油田の拠点としての位置づけを南東のアバディーンに譲った分だけ、この街のしっとりとした古都のおもむきが保たれているのは、ちょうどローランド地方で産業革命の拠点をグラスゴーに譲ったエディンバラとの関係によく似ています。
高い建物はほとんど無くて、昔ながらの教会の尖塔が目に入り、高台には古城がたたずむという景観はとても美しい。ホテルなども廃業した蒸留所を改装して街の景観にしっとりと溶け込んでいるというのもこの街の魅力のひとつ。
ヨーロッパの街をめぐるときの定番は、スーパーマーケットの検分。
へたな土産物店や空港免税店よりもリーゾナブルでものもよい。贅沢品ならばともかく小物やちょっとしたお酒やチーズ、クッキーなどのお土産ならばスーパーのほうが品揃えも豊富。観光ツアーでも、最後のお土産の買い物の場所としてツアコン自ら案内するスポットにもなっているようです。
ジンは、最近のトレンドのようで種類も豊富。前日に「発見」したスペイサイドのジンのようにスコットランドのジンなど新しいレーベルも登場し、ジンといえばカクテルのベースというこれまでの常識をくつがえし、ジンそのもののテースティングも盛んになっています。
棚には、私の好きなゴードンジンが並んでいました。
英国のミステリー小説などにも、お酒に関わる小粋な一節が多く登場してファンを楽しませます。
ディック・フランシスの競馬シリーズのひとつ「証拠」は、天才的な利き酒の才能を持つワイン商が主人公という設定で酒飲みにはちょっとたまらない内容の作品ですが、そもそも「証拠」の原題「PROOF」というのが酒のアルコール度数「PROOF」と引っかけてあるという仕掛けになっています。
その一節に…
ゴードンのジンを整然と緑の列に並べ
…とあるのですが、
輸出用のレーベルにすっかりなじんでしまっていて《ゴードンジン=黄色》というステレオタイプに染まった日本人にはぴんと来ないでしょう。実は英国国内ではグリーン・ボトルと言えばゴードンジンのことなのです。国内用はアルコール度もちょっとだけマイルド。まだまだ私たち日本人は、洋酒の世界には未開拓なところがありますね。
夕食は、街でも評判のイタリアンに行ってみました。
ぶらりと店に入って聞いてみると、7時までに食事を終えるならならOKということで予約なしでもテーブルに着くことができました。
ビール党の私にとっては、やっぱりスコットランドは、へたなワインを頼むよりビールのほうが断然おいしい。ここでもすっかり気に入った地のビールをいただきます。
料理もとてもおいしかった。
鹿肉のカラパッチョ。食いしん坊の私としては、こういう盛りのよいディッシュは最高ですね。パルミジャーノもたっぷりでそのアミノ酸の旨味がジビエの濃い味わいをうまく引き立たせてくれます。
メインも、肉、肉、肉。
インヴァネスは、食についてもかなりハイレベルでした。
最後の夜まで、とても楽しかった。
ブレクジットでポンドが急落。治安も安定した英国への観光は今がチャンスかもしれません。なかでもスコットランドはほんとうに楽しい。よほどのゴルフ好きはともかくスコットランドに行くなら、一足延ばしてハイランドがさらにオススメ。どこをとっても絵になる風景で、しかも自然と人間のロマンにあふれています。団体ツアーがあふれることもなく、イギリス人にとっても燈台もと暗しで、ロンドンっ子たちも初めての訪問だと言いながら目を輝かしていました。
スコットランドはとてもオススメ。
それが私たちの結論です。長い間、お付き合いいただきありがとうございました。
(終わり)
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