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2024年12月14日08:43

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美音と音楽の重み (ヴィルタス・クヮルテット)

サルビアホール クァルテット・シリーズ。

今回は、ヴィルタス・クァルテット。福島県いわき市で立ち上げたグループ。メンバーはすご腕の名人たち。特に、私にとっては馬渕昌子さん、丸山泰雄さんは、紀尾井シンフォニエッタ東京の時代からの紀尾井ホール室内管の中心メンバーなので顔なじみ。

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最初のハイドンでいきなりやられました。

その音色が何とも言えないような金色の滑らかな美肌と深く融け込むようなハーモニーの美音。まさに「太陽四重奏曲」。古典的な楷書体の構成美ともあいまって優美であって、しかも、喜悦に富んでいる。最後は短いが優雅なフーガで終わる。

そのことが、このホールのアコースティックとの素晴らしいマリアージュとなって、天国的な響きで身を包んでくれます。

ところが……

二曲目のバルトークから、何かがかみ合わなくなってくる。

重たい……。とても、重たくて、何かが肩にどっしりとのしかかっていきて聴いていて疲れてくる。若い時に感じたバルトークのとっつきにくさ、前衛の気取りや難渋さを感じてしまう。終始、無調の相互に分断されたフレーズやリズムが無意味な音のぶつかりとなって心に降りてきません。まだ20歳代だったとはいえ、民俗音楽研究者としても誠実なフィールドワークも重ねていたバルトークで、そういう民俗的な調べも練り込まれているはずなのに、それが聞こえてこないのです。

そのことは、休憩後の「ラズモフスキー第1」でも感じました。

音楽との相性のようなものがあるのでしょうか。アンサンブルはとても堅牢で連携も崩れないのですが、ベートーヴェンらしいグルーヴ感というのか疾走感、あるいは激しいアクセントのような強弱、歪な拍節が生む高揚が感じられないまま時間だけが過ぎていく。重たく感じさせるのは、音色のバランスのせいもあるのかもしれません。この日の丸山さんはちょっと左指が高く上がらないところがあって、フレージングがはっきりしないようにも感じました。立派なベートーヴェンなのですが、少し停滞気味。あるいは、このホールの豊穣な響きに適応しきれないままの本番だったのかもしれません。

独自の活動を展開するクァルテットですが、すご腕の名人たちの団体だけにもっともっとクァルテットとしての活動を充実させてほしい気がします。でないともったいない。このシリーズの再来を期待します。



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サルビアホール クァルテット・シリーズ185
ヴィルタス・クヮルテット
2024年12月11日(水)19:00
横浜市鶴見区民文化センター サルビアホール
(C−6)

ハイドン:弦楽四重奏曲第23番ヘ短調 作品20-5
バルトーク:減額し重奏曲第1番 Sz40

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番へ長調 作品59-1「ラズモフスキー第1」


ヴィルタス・クヮルテット
 ヴァイオリン:三上 亮、對馬佳祐
 ヴィオラ:馬渕昌子
 チェロ:丸山泰雄

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