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2024年02月03日11:07

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ヨドコウ迎賓館

ヨドコウ迎賓館は、どうしてもいつか来てみたかった建築。大好きなフランク・ロイド・ライトの建物だから。

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もともとは灘の酒造家の個人別邸として芦屋の六甲中腹に建てられた。戦後間もなく淀川製鋼所に買収された。スチール物置などでよく知られたカラー鋼板メーカー。社長邸とか独身寮などに使用され、一時はマンション建て替えも検討されたようですが、各方面からの保存要望があって取りやめて、1974年に重要文化財の指定を受け、一般公開されるようになりました。阪神・淡路大震災などもあって保存修理を繰り返し、なかなか訪れる機会がなかったのです。

そういうちょっと敷居の高いイメージがあったのですが、今は見学はとっても簡単。きつい坂を登るのがちょっと息がきれるけど、訪ねてみるとこの日は近隣の小学校の展示会をやっていて子供達でにぎやか。

山麓の傾斜地に立体的に建てられていて、日本人の身の丈感覚に合わせて作られているので、ライトのモダニズムと日本趣味のマッチングが身体感覚で味わえる。本拠地のシカゴ郊外オークパークの建物群には何度も行ったけれども、この建物がいちばんライトを肌で感じられる。

基本設計はライトだけれども、細部や施工は遠藤新が行っている。そのことも日本人の肌感覚に合う。池袋の自由学園明日館も同じだけれど、こちらは個人住宅だから、もっとずっと親密なもの。建物の持つリズムが、人間の呼吸や鼓動に近い。

随所に大谷石が使われているのは、旧・帝国ホテルと同じ。その肌合いは暖かみがあって有機的。階段や廊下のちょっとした上り下りにとてもマッチしています。

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エントリーから入ると、靴脱ぎがあってその奥に応接間が開けています。縦長の間取りと直線的な意匠はいかにもライトですが、天井高がさほどは高くなくてそういう部屋のプロポーションがとてもプライベート。窓が多くて明るく開放的で、灘に続く眺望が開けているところがライトの配慮なんだと思います。

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上階の廊下は、長くて、しかも、外に開けているのでとても明るく日本家屋の居心地そのもの。

この階の居室は、すべて和室の畳敷き。

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もちろんライトの基本設計にはなかったもので、施主の希望で遠藤新が創意をこらしたもの。

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奥には、使用人の部屋や浴室などのユーティリティがあります。居室から続く複雑な階段でそうしたスペースをうまく仕切っていて、その階段を上がると家族寝室。さらに上って最上階にたどり着くとそこがダイニングルーム。

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最上階にダイニングルームだなんて、ちょっと気分が上がります。

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そこから屋上のテラスにそのまま出られて、そこからは灘の海が一望できる。ちょっとしたペントハウス。

この日は、外国人観光客とはひとりも出会いませんでしたが、ちょっともったいない。もちろん建築フリークやライトのファンにはぜひ訪れて欲しい建物だと思いました。ライトの思想が、和洋融合であり自然との共生にあるということが、とても身近に感得できる建物。

来てよかった。

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