UNICORNさん宅を久しぶりに訪問しましたが、そのサウンドの躍進ぶりに大興奮。かつて初めてGermanのUNICORNに接してウーファーがどこについているのか探したというあの懐かしい日々を思い出してしまったくらいに驚き、興奮してしまいました。
最初はUNICORNさんお得意のジャズばかりを聴かせてもらいました。プレヴィンの洒落たピアノも、女性ボーカルの美しい肉声のタッチ感も、アート・ペッパーの冴えた息づかいも、あるいは、ビル・エヴァンスの高音質盤ならではのピアノのタッチやコードのみずみずしさにも感服。
何よりもコルトレーンの肉感的なボディの響きが豊かでリアルなサックスの音色に驚嘆。コルトレーンは、プレスティッジ時代は惹かれるが、自分が高校生の頃にジャズが嫌いになったのは実はコルトレーンのせいだなどと話したら、破顔一笑、ぜひ聴いてみて…とかけていただいた"Crescent"の"Lonnie's Lament"を聴いて、目からウロコ、いや、耳からフタが取れました。何十年もの妄執みたいなものが吹き飛んでしまいました。
クラシックも聴いてみてほしいと言われて、シャルランのワンポイント録音、ケルン室内楽団のモーツァルトなども聴かせていただきましたが、どれも鮮度が高く立体的な音像や音場がリアルに再現されていて、再生の難しい高音弦強奏をともなうトゥッティも馥郁と香るような美事なハーモニー。思わず感嘆のため息とともに頬が緩んでしまうのを止められません。
私が持参したLPは、あえて50年代半ばのモノラルのオリジナル盤と、それと対照的なステレオLP末期のデジタル録音/アナログカットの国内プレス盤を選びましたが、いずれも、リアルでなおかつふくよかな演奏者の息づかいや、溌剌とした身のこなしが聞こえて音楽が実に活き活きとして楽しい。まさに、時代やジャンルを超えて何でもござれなのですが、挙げ句にサッチモのSP録音のLP復刻盤を聞かされてぶっ飛びました。1920年代の電気吹き込み初期の録音ですが、鮮烈で突き刺すようなラッパの音は、若々しく奇跡のような演奏だし、とても信じられないような音です。
実は、以前にお伺いした時に、ステレオ盤はよいのに、モノラル盤はいまひとつ。モノラルはモノラルのカートリッジで再生すべきではないかと、生意気なことを申し上げたのです。それがきっかけでUNICORNさんは、鬼のような追究を続けたとか。結局、オルトフォンのモノラルはダメで、針を楕円ではなく丸針にすることで決着。
さらには、ちょっと事故があって、さる工房に改修をお願いしたところ飛躍的に音質が向上したとか。その秘密は、もちろんダンパーの換装とか再帯磁、ワイヤーテンションの再調整などがあるのですが、特にスタイラスの換装が大きかったとか。接合部の接着剤が劣化して緩んでいるものを、正確なアライメントに合わせて厳選した接着剤で高強度で接合し、その結果、定位が安定し明確になったそうです。換装した針は特上の研磨仕上げでSN比が飛躍的合わせに上がったとか。そのことを、まさに目の当たりに実感した思いのオフ会でした。
自分としては、UNICORNさんのアナログサウンドを聴いて、自分の聴感をキャリブレーションしようという魂胆もあったのですが、その密かな思惑通りに目的を達成しました。痛感したのは、よい音というのは解像度の高い音だということ。デジタルであれ、アナログであれ、そういう基本は変わりません。聴かせていただいた、このアナログサウンドを耳に焼き付け、それを目標にして、自分のシステムを自分の耳で冷静に評価しながら、詰めていけるという自信を持つことができました。
二次会の懇親会では、おいしい冷菜や餃子などをつつき、紹興酒をいただきながら、いつもながらの楽しい雑談。昔のジャズ喫茶サウンドや爆音への妄執とか、かぶりつき派か遠景派かなどのサウンド嗜好の派閥など、お互いに言いたい放題。あるいは、ふたりの共通話題である、マンハッタンのジャズクラブやシカゴのブルースハウスの話しで盛り上がるなど楽しい懇親会でした。
ログインしてコメントを確認・投稿する