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2018年12月29日20:26

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マイベストコンサート2018

今年も、せっせとコンサート通いに励みました。36回ということでまずまずのペースでしたが、これに海外でのオペラやコンサート体験12回を加えると48回ということでほぼ週1回のペースとなります。今年は、特に、ピアノが抜きん出て回数が多かったのですが、私がピアノが好きということもありますが、やはり、レオンスカヤのシューベルトシリーズなど大物の公演が相次いだことが大きかったのだと思います。対照的にオーケストラの回数がずいぶんと減ってしまいました。これは海外遠征の反動というところが正直なところです。



(海外)
オペラ
【ミラノ・スカラ座】
 ヴェルディ「シモンボッカネグラ」
 グルック「オルフェオとエウリディーチェ」

【ドレスデン国立歌劇場】
 ビゼー「カルメン」
 モーツァルト「ドン・ジョバンニ」
【ベルリン・ドイツオペラ】
 ロッシーニ「ランスへの旅」

オーケストラ
【スカラ座管弦楽団】
 マーラー「交響曲第3番」
【ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団】
 マーラー「交響曲第5番」「さすらう若人の歌」ほか
【ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団】
 マーラー「交響曲第6番】《ラトル さよなら公演》
【ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団】
 ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」、ドボルザーク「交響曲第8番」ほか
【ベルリン国立歌劇場管弦楽団】
 ブリテン「戦争レクイエム」

リサイタル
【マウリツィオ・ポリーニ】
 シューマン「管弦楽のない後奏曲」、ショパン「ピアノソナタ第3番」ほか スカラ座
【アンドラーシ・シフ】
 バッハ「パルティータ全6曲」 ピエール・ブーレーズ・ザール


(国内)
【ジャンル】
管弦楽 7回
室内楽10回
ピアノ15回
歌劇  1回
その他 3回



さてこのなかでベストを選べということになると圧倒的に海外でのオペラやコンサート体験ということになってしまいます。そこで、いままでは海外は除外していたのですが、今年は、ベルリン・フィルのラトルさよなら公演など生涯に何度あるかどうかの体験もしていますのでまったく言及しないというわけにもいきません。そこで、海外遠征のなかで特筆すべきものを2つだけ選び、国内からはベスト3を選んでみました。




《海外》
1.ラトル ベルリン・フィルさよなら公演
フォト

マーラー:交響曲第6番
サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 2018年6月20日 ベルリン・フィルハーモニー

言うまでもなくベルリン・フィルのシェフを16シーズン務めたラトルの最後の定期公演。そういう歴史的公演に立ち会えただけでも大変なことでしたが、やっと入手した席が前から2列目の中央という幸運にも恵まれました。ラトルは、長いベルリン・フィルの歴史のなかで初めて現役かつ健康のままに首席指揮者・音楽監督を退任する指揮者なのだそうです。それだけに湿っぽいところは微塵もなく、ベルリン・フィル渾身の演奏は、完璧なバランスで凄みさえも感じたほど。それをかぶりつきセンターで堪能できたということで、大興奮のまったく希有な体験をしました。これはちょっと生涯忘れられない演奏体験のひとつとなりました。


2.キャメロン・カーペンターのオルガン版「パガニーニ狂詩曲」
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ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団演奏会
ラフマニノフ(編曲/キャメロン・カーペンター):パガニーニの主題による狂詩曲ほか
2018年6月24日 ベルリン コンツェルトハウス・ベルリン

海外ベストのもうひとつは迷いました。順当なところではスカラ座の「オルフェオ」なのですが、どうしても挙げておきたかったのはベルリンのコンツェルトハウス管のコンサートなのです。何が良かったかというと、ひとつはホール音響の素晴らしさ。こんな素晴らしい音響と内装の美しいホールというのは、やはり、ヨーロッパならではのこと。そしてそのオケを率いるのが日本人女性のコンミス・日下 紗矢子さんということもうれしい。そして何よりもどうしてもこのコンサートのことを挙げてみたいと思ったのが、共演したオルガニストのカーペンターの異才ぶりでした。ホール作り付けのパイプ・オルガンではなく、ツアー用にしつらえた電子オルガンの壮麗なサウンドは悪魔的ですっかり魅了されました。この異端とも言うべき才能に不意に出会った驚きは例えようもありませんでした。



《国内》
3.サラ・チャンの「2つの『四季』」
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サラ・チャン ヴァイオリン・リサイタル
ヴィヴァルディ:「四季」
ピアソラ:「ブエノス・アイレスの四季」(デシャトニコフ編曲)
2018年10月25日 東京・四ッ谷 紀尾井ホール


かつての天才少女が、ヴィヴァルディとピアソラの二つの「四季」を並べるという、才気あふれるコンサート。リサイタルに弦楽五重奏のアンサンブルを従えるというのも異例ですが、それが単に「四季」を演奏するというエンターテインメントに終わらず、他のメンバーとのインタープレーのなかで自分のインスピレーションを弾けるように高めるということをやってのけたのです。これは、マイルス・デイヴィスなどジャズシーンには日常的ですが、クラシック音楽の世界では実にユニーク。これからのソロ・アーティストのアクティビティとして、ひとつの新たな境地を拓いたということも言えると思うのです。もちろん共演したN響メンバーにもブラボーです。



4.山田和樹と横浜シンフォニエッタ
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横浜シンフォニエッタ 第13回演奏会
ストラヴィンスキー/協奏曲「ダンバードン・オークス」
ショスタコーヴィチ/チェロ協奏曲 第2番(クニャーゼフ/チェロ)
ラヴェル/「マ・メール・ロワ」バレエ全曲版
2018年2月17日 横浜市青葉台 フィリアホール


今もっとも注目される日本人の若手指揮者・山田和樹。横浜シンフォニエッタというのは、その山田の、山田による、山田のためのオケ。もともとは山田が東京芸大在学中に声をかけて集まった仲間たちで結成された「ヤマカズオケ」という学生オケが前身。「山田和樹と一緒にオーケストラをやろう」と集まった芸大同窓の若者たちは、いまや内外の第一線で活躍するようになったが、いまでもまるで「故郷に帰ってくるように」年に一度の横浜シンフォニエッタに参加してくる。そういう充実感と親密さがぎっしり詰まったような濃密なコンサートでした。ソリストがクニャーゼフというのもすごい。そこには隠された友情のようなものがあるらしい。並べられたプログラムも壮観ですが、そこからピチピチと跳ねるように活きのいい自発性が飛び散るようなコンサートでした。




5.青木尚佳&エマヌエーレ・セグレ ヴァイオリンとギターのデュオ
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土曜ソワレシリーズ《女神との出逢い》第276回
青木尚佳&エマヌエーレ・セグレ ヴァイオリン&ギター デュオ・リサイタル
パガニーニ、シューベルト、サラサーテほか
2018年10月13日 横浜・青葉台 フィリアホール


これもヴァイオリンとギターのデュオ・リサイタルというユニークな演奏会。決して特異な組み合わせではないことは、ストラディヴァリウスのようなヴァイオリン製作者がギターの製作も手がけていたことからも、パガニーニが自ら両刀遣いを自負していたことからもわかる。そんな話を、春に訪れたクレモナのでも聞いていた。けれども、それはあくまでもサロンのような小音楽会のことだと思っていました。それがフィリアホールのような本格的なリサイタルホールで成り立つとは夢にも思っていませんでした。しかもギターのセグレさんはいっさいアンプを使いません。それで心地よいバランスのアンサンブルにうっとり。しかも極限と言っても過言ではないほどの静けさで、フィリアホールの聴衆のマナーの素晴らしさが印象的。青木さんという素晴らしい才能を知ったのも大きな収穫でした。



最後にひと言。本当は、河村尚子さんのベートーヴェン・ソナタの連続演奏会も入れたかったのですが、これは全4回のうち2回まで。来春に第3回目を予定しています。取り上げるのは来年ということにして、今年のベストに挙げるのは控えました。

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