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2015年10月20日23:38

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ペルゴレージ 歌劇「オリンピーアデ」

紀尾井ホール開館20周年記念企画によるバロックオペラ公演。

ペルゴレージは、ナポリのモーツァルトとも言うべきバロック期に活躍した夭逝の天才作曲家。1736年にわずか26年間の短い生涯を閉じた。白鳥の歌というべき「スターバト・マーテル(悲しみの聖母)」が代表作。また、「奥様女中」ではオペラの歴史を変えたとまで言われている。

「オリンピーアデ」は、これがなんと日本初演。20周年ということと、東京オリンピックにもかけた渾身の企画。

バロック期のオペラの上演は、近年、とても盛んで、日本でも東京・王子の「北とぴあ国際音楽祭」でバロックヴァイオリンの寺神戸亮さんを中心に毎年のように公演が行われている。私もいずれはヘンデルのオペラを実際に観てみたいと思っているが、本場ヨーロッパでもなかなかその機会がない。公演開催までには、音楽的にも商業的にもいろいろ難関があるようだが、そういう憂慮を吹き飛ばすような快心の上演。

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何といっても歌手陣が豪華。幸田浩子、林美智子、澤畑恵美、向野由美子という華のある人気も実力も一級の女性歌手4人が、中心となる娘役、ズボン役の二組カップルに扮し、これに吉田浩之、望月哲也という男声の実力者を加えた歌手陣は充実の陣容。幸田や林らのコロラトゥーラが実に華麗で、劇が進むにつれ音楽の活き活きとした表情、ノリの良さのような色艶が増していく。

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コントラルトの弥勒忠史は、なかなかこういう場がなければ活躍できない特殊な声楽家だが、終幕後、一番の喝采を受けていた。

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舞台は、演奏会形式と本格的なオペラとの中間ともいうべき簡素なもの。当然、歌手陣は簡単な振りをつけて暗譜で歌う。衣装にもシンプルながら工夫がされていてとてもよかった。

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通常の紀尾井ホールのステージに傾斜舞台を載せ、ホールの内装をうまくギリシャ神殿の柱廊のように見立てた舞台デザインもよい。日本語字幕も見やすい。今回は紀尾井ホールの自主企画だが、すでにこういうバロックオペラ公演は二期会などによって何回か上演されていて、その経験が生かされているそうだ。

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オーケストラ・ピットは、前席の何列かを取り外して簡単なついたてを立てて作っている。オーケストラそのものはモダン楽器でほとんどモダン奏法といってよい。チェンバロ奏者を兼任する指揮者:河原忠之の奮闘ぶりは特筆もの。古典派へと向かう充実したオーケストラの輝きやゴージャスな響きを存分に聴かせてくれた。もちろんストラヴィンスキーの「プルチネルラ」に引用された一節もあって楽しいことこの上ない。

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筋書きは、オリンピックの勝者に王女をめとらせるというお話し。相思相愛の男女二組の4人がもつれて、友情と愛の板挟みに苦しむが、最後は新たな事実も判明してめでたしめでたしの大団円。他愛もないお話しとはいえ、人間の素直な感情を歌い上げる活き活きとした音楽は、モーツァルトの歌劇そのもの。ペルゴレージがナポリのモーツァルトなのか、モーツァルトがウィーンのペルゴレージなのか。そんなペルゴレージのオペラ・セリアの再発見の楽しみもあった。

スタッフ、キャスト、関係者のすべてのみなさんにブラヴォー。




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紀尾井ホール開館20周年記念バロック・オペラ
ペルゴレージ 歌劇「オリンピーアデ」

日本初演/セミ・ステージ形式 2部構成*

2015年10月8日(木) 18:30
東京・四ッ谷 紀尾井ホール

河原忠之(指揮・チェンバロ)
粟國 淳(演出:)

クリステーネ:吉田浩之(テノール)
アリステア:幸田浩子(ソプラノ)
アルジェーネ:林美智子(ソプラノ)
リーチダ:澤畑恵美(ソプラノ)
メガークレ: 向野由美子(ソプラノ)
アミンタ:望月哲也(テノール)
アルカンドロ: 彌勒忠史(コントラルト)

紀尾井オペラ・アンサンブル(特別編成)
石田泰尚(リーダー/ヴァイオリン)
執行恒宏(第1ヴァイオリン)
岩村聡弘(第2ヴァイオリン)
村井俊朗(第2ヴァイオリン)
鈴村大樹(ヴィオラ)
門脇大樹(チェロ)
米長幸一(コントラバス)
蠣崎耕三(オーボエ)
森枝繭子(オーボエ)
大野雄太(ホルン)
藤田麻理絵(ホルン)
三澤徹(トランペット)
長倉穣司(トランペット)
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