テレ朝のニュースステーションに
久米宏さんがニュースキャスターとして登場したとき、
正直、違和感があった。
音楽番組の司会を務めていた人物に
ミュース番組が務まるのか、という思いからだった。
しかし、二、三回番組を見るうちに、
NHKなどの他のニュース番組とは明らかに異なり、
まるで見ている自分が発言しているような衝撃的な
報道の組み方に取り込まれていく自分に気付かされた。
ニュースを読むのではなく、語る。
ニュースを伝えるのではなく、訴える。
笑い、怒り、泣くという感情が、生に伝わってくる。
私は、自分勝手に「久米劇場」とネーミングして
随分と長いこと夜のニュースは、このニュースステーションに
依存してきた。
その久米宏さんが亡くなった。
享年81歳、私と一歳ちがいだった。
この番組のプロデューサーが、
「まるで新聞に映像がついているようなニュース番組にしない」
それが、ニューステーションのコンセプトだった、
と発足当時の方針について語っていた。
その通りに、久米宏という主人公が、
権力を恐れず阿ねず、脚本を描き、語り、演じ切った。
「久米劇場」の終焉で、また昭和時代がひとつ終わった。
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