5年ほど前になるが、
贔屓にしている柳家喬太郎さんの落語の会があり、
市民ホールへ友人と聴きに行った。
演目は「井戸の茶碗」
落語が始まって、主人公の浪人と娘がくず屋に
いろいろな雑物を吟味してもらっていた段で、
突然、客席で携帯電話が鳴り出した。
あらかじめ、携帯電話を切るかマナーモードにするように
館内放送されていたのだが、まあ、よくあることだ。
一瞬、喬太郎さんは、息を呑んだように言葉を止めたが、
間髪入れず「娘よ携帯電話は切っておけといったであろう」と
さらっと流し、何事もなかったように噺をつづけた。
会場は、話術師喬太郎さんのみごとな対応に
大きな笑いに包まれた。
白けるところを、粋にまとめる、
名人の業をみせられたそんな落語会だった。
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