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2024年11月19日09:19

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「古代文明と星空の謎」(渡部潤一 著)読了

著者は、天文学者。本書は、天文学そのものではなくて、天文学と考古学という異分野の関わりに焦点を当てている。歴史上の遺跡や古記録、古文書、遺跡、遺物などについて天文学の知見で検証し、その文化の暦年年代日時を考察する。

そのような異分野、学際を超えた学問が「古天文学」。

なかなかロマンチックな話しで、とても知的な好奇心を呼ぶ。学校で習った地学は、どこか四角四面で退屈な教科で、天文学といっても地球からの見え方が中心で立体感覚に乏しい私のような凡才にはとてもわかりにくかった。ところが、古「天文学」では、まさに、古代人が見ていた星空そのものが謎の対象となる。ちょっとした発想の転換で、こんなにも話しが面白くなる。

ストーンヘンジといった巨石文化、ピラミッドの秘密など、いかにもそそられるテーマだ。ところが、ここはちょっとガッカリ。やっぱり、地学でわかりにくかった黄道や白道、つまりは、日の出、日没、月の出入りといった話しに終始して、その挙げ句に、巨石遺跡もピラミッドも太陽信仰であって、さほどに精密、精緻でもないし、謎は曖昧のまま。

結局は、歴史上の痕跡というよりは、お定まりの暦のお話しになってしまう。暦の問題は、有史時代の話題がほとんどだから、あまり「古天文学」に関わりはない。月の満ち欠けによる月暦と、四季を特定する太陽暦との食い違い、暦法の変遷、日月年の誤差を修正する「閏(うるう)」に紙数が費やされるのは残念。

やはり、面白いのは何と言っても星空の謎。

地球の自転軸は、コマの回転軸が回るように、円を描いて首振り運動をしている。この動きは、2万6千年周期と意外に大きい。今の北極星(こぐま座α星)は、古代人が見ていた北極星とは違う。天空の星空の見え方は変遷している。

日本のキトラ古墳の石室壁面に描かれている天文図は、中国の星座が描かれていて実用的なものではないが、希少な円形図で赤道、黄道と地平限界である外規、内規の天文学的な4つの円が描かれているものとしては世界最古のものだという。ここからこの天文図が描かれた場所と年代が推定できるそうだ。

ここからが面白い!と思ったとたんに本書は終わる。

面白いが、それはつかの間。とても残念。




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古代文明と星空の謎
渡部 潤一 (著)
ちくまプリマー新書

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