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2024年11月07日14:24

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クラシックバレエの真髄 (新国立劇場「眠れる森の美女」)

新国立劇場「眠れる森の美女」の千穐楽。

2014年の新制作ということですが、クラシックバレエの楽しさがぎっしり詰まって、なおかつ、ロマンチックな内面表現や舞台美術や照明も新鮮で、素晴らしい公演でした。

幕開け冒頭に、リラの精がシャンデリアに乗って登場。カラボスとにらみ合うということで、この物語の主軸を印象づけるという趣向。この導入が見事。

振り付けは、プティパの原振付を尊重したものだそうで何の奇をてらうところはありませんが、現代的な感覚も取り入れてとても見映えがします。プロローグの宮廷の場面も、とてもオーソドックスで安心して楽しめます。

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休憩を入れてから、第1幕と第2幕が続けて演じられるのは、とても納得的。オーロラ姫がカラボスのワナにはまって呪詛が実現し華やかな宮廷が鬱蒼とした暗い森に暗転する場面転換は見事です。

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何と言っても見応えがあったのは、第2幕第1場。

ひとりになった王子が、暗鬱と佇んでいるとリラの精が現れ、王子を森の奥へと誘い、そこでオーロラ姫の幻影を見る。王子は、この幻のオーロラ姫に心から惹かれていき理想の愛を感じていく。ここでの木々や蔦に閉ざされた原始の森の深淵を現す舞台美術、巧みな照明が映し出す王子の内面心理、オーケストラのソロとが一体となって、小野絢子、奥村康祐のアダージョを彩る。ロマンチックバレエの極致。

王子とカラボスの闘いがあって、オーロラ姫は王子の口づけで100年の眠りから目覚める。それとともに華やかな宮廷が再び現れるところで幕。

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ここでまた一息入れて、第3幕は、お決まりのヴァリアシオン。金銀宝石の精に、シャルル・ペローのおとぎ話の主人公たちが入れ替わり立ち替わりでにぎやかこのうえないし、とにかくバレエの個人的な晴れ晴れとした妙技は見ていてほんとうに楽しかった。

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ギャヴィン・サザーランドは、いかにもベテランという感じでとても手堅い指揮ぶり。指揮者もダブルキャストで、本音としては冨田実里さんの指揮を見たかった。ピット内の東フィルは、そこそこの健闘ぶり。上質だけれど、舞台上のレベルの高さに見あう盛り上がりがあったかといえば多少の不満は残りました。

とにかく、いまや新国立劇場のバレエは、たいへんな充実ぶりで世界的にもトップクラスの舞台ではないでしょうか。満席の華やかな客席の盛大で熱い拍手がそれを雄弁に語っていたと思います。


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新国立劇場
チャイコフスキー「眠れる森の美女」
2024年11月4日(月・休) 14:00
東京・初台 新国立劇場 オペラハウス
(2階3列16番)

【振付】ウエイン・イーグリング(マリウス・プティパ原振付による)
【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
【編曲】ギャヴィン・サザーランド
【美術】川口直次
【衣裳】トゥール・ヴァン・シャイク
【照明】沢田祐二

【オーロラ姫】小野絢子
【デジレ王子】奥村康祐

【リラの精】内田美聡
【カラボス】直塚美穂

【エメラルド】山本涼杏
【サファイア】花形悠月
【アメジスト】金城帆香
【ゴールド】小川尚宏
【フロリナ王女】飯野萌子
【青い鳥】山田悠貴
【長靴を履いた猫と白い猫】菊岡優舞、東 真帆
【赤ずきんと狼】赤井綾乃、渡邊拓朗
【親指トム】石山 蓮


【指揮】ギャヴィン・サザーランド
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
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