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2018年03月26日17:04

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ゾフィエンザール (心地よい音響 番外編)

私の日記に対して、ある方からレスいただいて、デッカのウィーンでの録音拠点だったゾフィエンザールのことが話題に上りました。

ゾフィエンザールは、もともとはコンサートホールではありませんのでステージは存在せず平土間だけの空間なのですが、ここも床下に音のよい秘密が隠されていたのではないか?とのご指摘です。

実はその通りなのです。

50年代当初、ヨーロッパ中の主だった録音会場はEMI(英国コロンビア)の目先の利く名プロデューサーのウォルター・レッグが独占してしまっていました。ウィーンのムジークフェラインもそうでした。新興のデッカはここで大きな博打を打ちます。それが、このゾフィエンザールで、その背景にあったのはそれ以上の大博打であったステレオ録音による「指環」全曲録音でした。

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ゾフィエンザールとは、もともとは室内温水プール場として建設され、当時は、舞踏会会場やイベント会場などの集会場として使われていました。(「浴場」とも言われますが、オーストリアやハンガリーの「温泉」は日本で言う「室内温水プール」そのものです。)当初は光熱費がかさむ冬場などは、プールはふさがれて床が設置されもっぱら舞踏会場となりヨハン・ストラウス�祇い覆匹�定期的に演奏していたようで、ここで初演されたウィンナワルツの曲も何曲か存在します。

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広い空間、アーチ状の高い天井、そして床下のプールの空間が、とてもよい音響を与えることとなり、そこに、デッカのカルショウば目ざとく目をつけたというわけです。コンサートでスケジュールが立て込んでいるムジークフェラインのような時間的制約もなく、小さな部屋もたくさんあって機材倉庫にもモニタールームにも控え室にも使えて便がよかったそうです。

アナログ時代の録音技術では、収録のためにはコンサートホールのステージが必ずしもベストとは言えず、座席を取り外してホール中央に土間を作ったり、座席上にステージを拡張させたりと設置が大変でした。何よりステレオ録音のためにはオーケストラの配置を自在にできて、歌手を歌いながら移動させるなど立体音場をとらえるにはゾフィエンザールは絶好のスペースだったのです。

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夏冬での利用の変換は、今のアイススケート場と兼用のスポーツアリーナのようなもので即席の床材ということではなかったと思います。デッカが録音会場としていた当時は、プールとしては使われていませんでしたが、舞踏会やイベント会場としては現役でした。デッカのスタッフ陣は、広大な平土間にいろいろと演奏台を持ち込みステージや段差を設けて録音していたようです。しかしそれは通常のステージと同じようなことで、よい音を得るためのものではないようで、写真を子細に覗いてみても前列のチェロは土間に直接エンドピンを刺して演奏しています。

録音技術や舞台装置の装備が向上し、本来の演奏会場そのままでも録音を行うことが容易になり、次第にコンサートホールでの録音の方が主流になっていきます。特にデジタル時代となり、編集技術が格段に向上してからはライブ録音(リハーサル収録も含む)が主流となりゾフィエンザールの録音会場としての役目は終わりを迎えます。建物は2001年に火事で焼失。今は再建されて宿泊施設も含めた総合娯楽施設として生まれ変わっています。
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