さて、花蓮駅前に迎えに来てくれたホテルの送迎バスに乗り込むと、一路、太魯閣渓谷を目指します。
太魯閣渓谷は、立霧渓(たっきりけい)と呼ばれる川が、巨大な大理石の岩盤からなる深山を侵食してできた大渓谷。深い幽谷と奇岩怪石と急峻な清流のおりなす景観は、日本統治時代にすでに国立公園に指定され、台湾の中でも特に人気のある観光地となっています。
河口近くは悠然とした流れとなっていますが、開けた平野部はほんとんどなくて、切り立った懸崖が開けるとほとんどそのまま直接海に注ぎます。海岸の幹線道路からすこしだけ入ったほんの入口でさえ河の両岸に崖がそそり立っています。
台北からも日帰りが可能ということもあってその人気は絶大。特急「太魯閣号」が常に満員で切符がとれないというのもそのおかげですが、大半の日帰り客はバスを連ねてやってきます。年々、開発が進み道路は少しずつ拡張されつつあるといっても、曲がりくねった狭い道は大型バスが一台通るのがやっとという箇所がいくつもあって、片側交互通行のために大渋滞は日常的な光景だそうです。
ホテルは、太魯閣観光の中心地である天祥の一等地にあります。ふたつの流れが合流する複雑な地形の岩の台地上に建っています。
もともとは、蒋経国(民国第6・7代総統)がこの地に「天祥招待所」を建設し観光振興をはかったのが始まり。1961年に落成し、蒋経国は海外要人を盛んにここへ招待し接遇します。日本の岸信介首相(当時)もここに招待されたひとりです。その後、蒋親子の中部横断道路建設時期にもVIPの接待宿泊所として活用されます。
現在の建物は、1991年に観光ホテルとして建て替えられたもの。国内外の観光客はもちろんのこと、やはり各国の元首や使節が太魯閣を訪れる際の御用達ホテルとして盛んに利用される名門ホテルというわけです。
私たちがチェックインした日は、あいにくの大雨でしたが、団体客も含めてホテルは満室状態でした。日本からインターネットで予約したときはタイミングがよかったらしくすんなり取れたのですが、やはり、周囲の台湾人観光客と話すと「あんたたちはラッキーだ」ということのようです。
内庭では、毎夜、原住民によるダンス・ショーがあります。ちょっと何だかハワイにでもいるような気分です。
料理もなかなかしゃれたものですが、正直言って、昼に食べたワンタンのほうがはるかに美味しいと思いました。
どうなるかと思った雨ですが、翌日はいよいよ太魯閣渓谷ツアーです。
(続く)
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